年金時代

雇用労働 無期転換申込権を行使した有期契約労働者は3%――JILPT調査

労働政策研究・研修機構(樋口美雄理事長)が9月10日に公表した「無期転換ルールへの対応状況等に関する調査」結果によると、無期労働契約への転換を申し込む権利(無期転換申込権)が発生し、すでに申し込んだ有期契約労働者は全体の3.1%にとどまることがわかった。無期転換申込権の発生した有期契約労働者における割合で見ても、申し込みをした人は17.3%であり、8割以上(82.7%)の人が権利を行使していなかった。

無期転換ルールは、同一の使用者との間の契約期間が通算して5年を超える有期契約労働者に対し、無期転換申込権を付与する労働契約法第18条の規定。対象者から申し込みがあれば、使用者は承諾したものとみなし、更新後の契約から無期労働契約に転換される。平成25年4月に施行され、5年後の平成30年4月以降から無期転換申込権が本格的に発生しており、本調査は企業等2万社と、そこで働く有期契約労働者(及び無期転換者)約5.5万人を対象に平成30年11月1日時点の状況を確認した。有効回答は企業等4,685社(有効回答率23.4%)、労働者4,215人(同7.7%)。

無期転換ルールに基づく転換希望に関しては、「希望する」が有期契約労働者全体の26.6%、「希望しない」は同33.1%、「分からない」が同34.6%だった。希望する理由(複数回答)としては、「雇用不安が無くなるから」(83.7%)におおむね集中。一方、希望しない理由としては「高齢だから、定年後の再雇用だから」(31.7%)、「現状でも雇用は比較的、安定しているから」(28.6%)、「契約期間だけなくなっても意味がないから」(27.5%)、「現状に不満はないから」(25.3%)、「辞めにくくなるから(長く働くつもりはないから)」(20.2%)、「責任や残業等、負荷が高まりそうだから」(20.0%)など、さまざまな理由が見られた。

他方、懸念された有期契約労働者の雇止め状況を見ると、有期契約労働者を雇用している企業等のうち、無期転換ルールが施行された平成25年4月以降、自社の都合で有期労働契約を終了(雇止め)させたことがある割合は3.3%だった。無期転換申込権を持つ人を発生させないため、あるいはその人数を減らすために、平成30年3月末までに有期労働契約を終了させたことがある割合は0.4%だった。

年金時代