年金時代

雇用労働 特退共の財政検証結果と対応策について審議

厚生労働省の労働政策審議会勤労者生活分科会中小企業退職金共済部会(部会長=内藤恵・慶應義塾大学法学部教授)は12月16日、建設業退職金共済制度(建退共)、清酒製造業退職金共済制度(清退共)、林業退職金共済制度(林退共)の3つからなる特定業種退職金共済制度(特退共)の財政検証結果などについて議論した。

建退共について令和5年までの将来推計と財政シミュレーションを行ったところ、単年度収支で見ると約100億円の赤字が出るほか、令和5年度には15.6%の確率で累積欠損金が発生する見通しとなった。そのため、厚労省は予定運用利回りを現行の3.0%から引き下げることと、掛金日額を現行の310円から引き上げることを提案した。

清退共については、給付のために積み立てておく必要のある責任準備金を大きく超える累積剰余金が存在し、今後も存在し続ける見込みであることから、厚労省は予定運用利回りを見直しは行わない方向性を示した。ただし、清退共では平成30年度に被共済者のうち受給権がなく、10年以上共済手帳の更新手続を行っていない人を脱退扱いとする処理を行ったため、被共済者が5,000人を割り込むこととなった。これに加え、一般の中小企業退職共済制度(中退共)よりも運用にかかるコストが高く、資産運用の効率性が低いことから、一般の中退共との合同運用を開始することが適当だとした。

林退共については、平成26年に行われた前回の財政検証で令和4年度末までに累積欠損金を解消することとされていたが、今回の財政検証では想定どおりに累積欠損金の解消が進まず、中長期的に見ると増加していく見通しとなった。この厳しい財政状況の中で着実に累積欠損金を解消するために厚労省は①予定運用利回りを現行の0.5%から引き下げる②毎年度業務経費として計上されている1,000万円(本部500万円、支部500万円)を削減する③退職金支給に備える余剰資金のうち1億円を自家運用から委託運用に移す——ことを提案した。

委員はこれらの提案におおむね賛成の意見を出したが、「一般の中退共を見ても委託運用でマイナスが出ていないことを考えると、建退共でも林退共のように資金を委託運用することを考えてもいいのでは」「清退共や林退共は規模や将来の見通し、運営の効率化等を考えると制度の在り方自体を検討する時期に来ているのではないか」などの声もあった。次回はこの日出された意見を踏まえた取りまとめ案について審議する予定だ。

 

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