年金時代

公的年金 社会保障審議会年金部会が「議論の整理」をとりまとめる

厚生労働省の社会保障審議会年金部会(部会長=神野直彦・日本社会事業大学学長、東京大学名誉教授)は昨年12月25日、これまでの議論の整理について審議した。議論の整理案では、今回の改正で短時間労働者の適用拡大について企業規模要件を50人超規模の企業まで適用するスケジュールを明記するとした。具体的には、2024年10月に50人超規模の企業まで適用、その施行までの間にも2022年10月に100人超規模の企業までは適用するとしている。週20時間の労働時間要件や月8.8万円の賃金要件、学生除外要件は現状を維持するが、勤務期間を1年以上の見込みとする要件は撤廃し、フルタイムの被保険者と同様の2ヵ月超とすることも盛り込まれた。また、被用者保険が非適用となっている業種については、弁護士・税理士・社会保険労務士等の法律・会計事務を取り扱う士業を適用業種に追加するとしている。

在職老齢年金については、60~64歳の在職老齢年金制度(低在老)の支給停止基準額を28万円から現行の65歳以上の在職老齢年金制度(高在老)と同じ47万円に引き上げる案が示された。

現行では老齢厚生年金の受給権を取得した後に就労した場合、退職や70歳に到達して資格を喪失したときに受給権取得後の被保険者期間を加えて、老齢厚生年金の額を改定している。これを65歳以上の人には在職中であっても年金額の改定を毎年1回行う「在職定時改定」に変更するとした。

繰下げ受給については、現行70歳となっている上限年齢を75歳に引き上げ、受給開始時期を60歳から75歳の間で選択可能とすることが提示された。繰上げ減額率は1月当たり▲0.4%(最大▲24%)、繰下げ増額率は1月当たり+0.7%(最大+84%)とするとしている。75歳以降に繰下げの申出を行った場合、75歳に繰下げ申出があったものとして年金を支給するとした。70歳以降に請求し、かつ請求時点で繰下げ受給を選択しない場合、5年前に繰下げ申出があったものとして年金額を算定し、支給することも盛り込まれた。

議論の整理案はこの日の審議を受けて部会長に一任。一部修正され、「社会保障審議会年金部会の議論の整理」として、12月27日に公表された。年金局ではこれを基に法案を作成。今年の通常国会への提出をめざす。

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