年金時代

公的年金 令和2年の組織目標は「原点回帰」―水島年金機構理事長が年頭訓示

日本年金機構の水島藤一郎理事長は1月6日、令和2年の年頭訓示を行った。令和2年の組織目標は「原点回帰―基幹業務の再構築―」と題し、機構発足10周年を迎えるいま、いま一度機構の原点である基幹業務に立ち戻る必要性を語り、この組織目標の実現に向けて4つの施策を掲げた。第1は「厚生年金及び国民年金事業の妥協なき推進」とし、厚生年金の未適用事業所の実態把握を早急に進め、適用すべき事業所を特定し、適用するスケジュールを確立することや、加入指導や立ち入り検査の手順を見直し、職権適用を行うことを前提に新たな施策を検討するとした。組織面では現在試行を進めて大きな成果が上がっている大規模事業所調査チームを組織化するほか、職権適用を制度化するための検討チームを組成する方針を示した。

第2に「正確な給付の更なる追求」として、1月から保険料を24月未納している人のなかでも高所得者に対して勤務先などを調査する実態調査を新たに試行する。試行結果を得たうえで、評価や目標などを決めるとしている。

第3に「デジタルワークフローの実現」によって「紙ゼロ」をめざす。機構が1年間に受け付けている届書は年金給付を除いて1億4,000万件。そのうち紙は50%、媒体が32%、電子申請が18%となっている。紙の画像データを原本化し紙自体を捨てることや、この春から始まる資本金1億円以上の事業所の電子申請義務化や電子申請システムの改善で徹底的に取り組むこととしている。

第4に「組織力強化に繋がる人事制度の実現」を掲げ、成果・実績と取り組み姿勢・貢献のバランスを見直す人事評価制度の再構築などの人事制度の見直しを行い、組織色を強化し、組織一体となって基幹業務を推進するとした。

水島理事長は機構が発足10周年を迎え、この間に基幹業務の実績を着実に積み上げ、広範な改革に取り組んできたが、残念ながらいまだに国民の信頼を十分に得るまでには至っていないとして、いま一度我々の原点に立ち戻り「未適用ゼロ」「無年金者ゼロ」「事務処理誤りゼロ」に「紙ゼロ」をプラスした3つあるいは4つのゼロに挑戦し、実現すること以外に信頼を得る方法はないと強調。「『信頼』、この言葉を渇望し、獲得するために共に努力し続ける1年にしたい。皆さん一人ひとりの気概を込めた挑戦と協力をお願いする」と述べた。

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