年金時代

雇用労働 賃金請求権は当分の間3年、労働基準法改正法案を労政審答申

厚生労働省の労働政策審議会労働条件分科会は1月10日、賃金請求権の消滅時効を現行2年から5年とし、当分の間は3年とする「労働基準法の一部を改正する法律案要綱」をおおむね妥当と認め、答申した。答申を受けて同省は、次の通常国会に法律案を提出する準備を進める。

賃金請求権の消滅時効は、労働者側が過去にさかのぼって未払賃金を請求できる期間のこと。たとえば管理職(管理監督者)にあるとして時間外労働分の割増賃金が支払われていなかった人が、後になって管理職としての権限や報酬が与えられていないなどと会社側と争い、労働者側の言い分が認められた場合、これまでは過去2年分までの未払残業代を請求できたが、改正後は過去3年分まで請求できるようになる。

民法の改正により、一般債権の消滅時効が権利を行使できることを知った時(主観的起算点)から5年、権利を行使できる時(客観的起算点)から10年に統一されたことを受けて、労働基準法における賃金等請求権の消滅時効についても見直しを検討。民法とそろえて5年を主張する労働者側と、賃金債権の特殊性や中小企業の負担等から現行2年の維持を求める使用者側で意見が分かれていたが、現行の書類の保存期間とそろえて当分の間は3年とする公益委員見解をもとに昨年末、労政審の建議がまとめられていた。

施行期日は改正民法とあわせて令和2年4月1日。労働者名簿、賃金台帳などの書類の保存期間や付加金の請求についても、賃金請求権と同じく原則5年、当分の間は3年とする。年次有給休暇請求権(2年)、災害補償請求権(2年)、退職手当の請求権(5年)などの請求権の消滅時効は現行のまま変更しない。適用は、施行日以降に支払期日が到来した賃金等を対象とし、時効の起算点はこれまでの労働基準法の解釈・運用を踏襲し、客観的起算点を維持することを法律に明記する。このほか、施行後5年の検討規定も設ける。

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