年金時代

国会提出された年金制度改正法案【公的年金編】

その他

国民年金手帳の廃止

年金手帳には、保険料納付の領収を証明することや基礎年金番号を本人に通知する機能があるが、被保険者情報がすでにシステムで管理されていることや個人番号を導入していることから、手帳の形式である必要性がなくなっている。そのため、20歳到達者など新たに国民年金第1~3号になった人には、年金手帳の代わりに「基礎年金番号通知書」を送付する。なお、年金手帳から新制度に移行する際の経過措置として、年金手帳の再交付申請は廃止するが、法律の施行までに送付された年金手帳については引き続き基礎年金番号を明らかにする書類として利用できる。施行期日は2022年4月1日。

未婚のひとり親等の申請全額免除基準への追加

現在、国民年金保険料の申請全額免除基準は、個人住民税非課税基準に準拠しており、地方税法上で前年の合計所得金額が一定以下の障害者と寡婦のみを規定している。これに未婚のひとり親等を政令で規定して加える。施行期日は2021年4月1日。2021年7月分の保険料からの申請全額免除・納付猶予、同年4月分の保険料からの学生納付特例に適用する。

脱退一時金制度の見直し

短期滞在の外国人が国民年金や厚生年金の被保険者資格を喪失し、日本を出国した場合に請求できる脱退一時金は、被保険者だった期間に応じて支給されている。この期間は現在3年を上限としているが、2019年4月に改正された出入国管理法により、在留期間の上限が5年になり、脱退一時金制度の創設当時よりも3~5年滞在する外国人が増えていることから、支給上限を5年に引き上げる(年数は政令で規定)。施行期日は2021年4月1日。

年金生活者支援給付金における所得・世帯情報の照会の対象者の見直し等

年金生活者支援給付金制度は2019年10月から実施されているが、法施行後に支給を判定するための所得や世帯情報の照会対象者は、既存の受給資格者のみとなる。これでは新たに対象者となった人に請求書を送付することができないため、政令によって支給対象者になりうる人を定め、所得・世帯情報の照会の対象者とし、請求書を送付できるようにする。なお、施行初年度新たに支給対象になりうる人については、法施行後に日本年金機構が所得情報を得るため、2021年2月1日までに請求を行えば、2020年8月分からさかのぼって支給を行う経過措置を設ける。また、請求書の送付に伴い、令和3年から、8月~翌年7月だった所得情報の切り替え時期を10月~翌年9月に変更する。これらの施行期日は公布日。

児童扶養手当と障害年金の併給調整の見直し

現在、障害年金を受給しているひとり親は、障害年金の額が児童扶養手当額を上回ると児童扶養手当を受給できない。この併給調整の方法を見直し、児童扶養手当の額と障害年金のこの加算部分の額との差額を受給できるようにする。施行期日は2021年3月1日。

2ヵ月を超えて雇用が見込まれる人の被用者保険の早期加入措置

現在、雇用契約期間が2ヵ月以内の人については厚生年金や健康保険の適用対象とならない。雇用契約の期間が2ヵ月以内であっても継続反復しているような場合には対象としているが、最初の雇用契約の期間は対象とならない。そのため、実態として雇用契約の期間が2ヵ月以内でも実態としてその雇用契約の期間を超えて使用される見込みがあると判断される場合には、最初の雇用期間を含めて当初から被用者保険の適用対象とする。施行期日は2022年10月1日。

厚生年金保険法における日本年金機構の調査権限の整備

現在、日本年金機構では、国税庁からの情報提供を受けて適用の可能性のある事業所への加入指導を実施しているが、事業所に対する立入検査や文書等の提出命令については適用事業所のみが対象とされている。未適用事業所であるものの、適用事業所である蓋然性が高いと認められる事業所についても法的権限に基づく立入検査等の対象に加える。施行期日は公布日。

年金担保貸付事業等の廃止

年金受給権を担保として小口の資金の貸し付けを行う年金担保貸付事業は、2010年の閣議決定で廃止が決定され、2021年度末に新規貸付の申し込み受け付けを終了する。この事業の廃止のため、必要な法制上の措置を講じる。施行期日は2022年4月1日。

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