年金時代

国会提出された年金制度改正法案【企業年金・個人年金編】

3月3日に国会提出された年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律案は、①被用者保険の適用拡大②在職中の年金受給のあり方の見直し③受給開始時期の選択肢の拡大④確定拠出年金の加入可能要件の見直し等⑤その他――で構成されている。今回は、企業年金・個人年金にかかわる④の内容を見ていく。

DCの加入可能年齢の引き上げ

企業型確定拠出年金(企業型DC)については、現行は厚生年金被保険者のうち65歳未満の人が加入できる(60歳以降は60歳前と同一事業所で継続して使用される人に限られる)。一方、確定給付企業年金(DB)については、このような年齢や同一事業所の要件はなく、厚生年金被保険者(70歳未満)であれば加入できる。そこで、企業型DCについて、企業の高齢者雇用の状況に応じたより柔軟な制度運営を可能とするとともに、DBとの整合性を図るため、厚生年金被保険者(70歳未満)であれば加入できるようにする。

また、個人型確定拠出年金(iDeCo)については、現行は国民年金被保険者であることに加えて60歳未満の人が加入できる。そのため、国民年金第2号被保険者や国民年金の任意加入被保険者で60歳以上の人は加入できない。一方、国民年金基金については、このような要件がなく、国民年金被保険者(第1号被保険者・任意加入被保険者)であれば加入可能だ。法案では、iDeCoについて、高齢期の就労が拡大していることを踏まえ、国民年金被保険者であれば加入可能とする。これらの施行期日は2022年5月1日。

受給開始時期等の選択肢の拡大

企業型DCやiDeCoは、現行は60歳から70歳の間で各個人において受給開始時期を選択できる。これを公的年金の受給開始時期の選択肢の拡大に併せて、上限年齢を75歳に引き上げる。施行期日は2022年4月1日。

DBは、一般的な定年年齢を踏まえ、現行は60歳から65歳の間で労使合意に基づく規約で支給開始時期を設定できる。これを企業の高齢者雇用の状況に応じたより柔軟な制度運営を可能とするため、支給開始時期の設定可能な範囲を70歳までに拡大する。施行期日は公布日。

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