年金時代

雇用労働 改正雇用保険法一部施行、令和2年度保険料率は据え置き

雇用保険法等の一部を改正する法律が3月31日に成立・公布され、4月1日に一部施行された。改正雇用保険法の主な改正事項は次のとおり。

令和元年度末で終了する予定だった保険料率や国庫負担を引き下げる暫定措置は、令和3年度末まで2年間延長された。それに伴い、3月31日に「労働保険の保険料の徴収等に関する法律の規定に基づき雇用保険率を変更する件」が告示され、令和2年度の保険料率は一般の事業が0.9%、農林水産業及び清酒製造業が1.1%、建設業が1.2%とされた。令和元年度と同率だ。

育児休業給付については、育児休業制度の浸透とともに受給者数が増加し、基本手当に匹敵する給付総額となることが見込まれることから、失業等給付とは区別した財政運営とし、当面は保険料のうち0.4%を育児休業給付分に充てるものとして明確化する。また、育児休業給付の取扱いの見直しとあわせて、失業等給付にかかる保険料率の弾力条項についても、育児休業給付による給付額を計算対象から除外するなどの改正を行う。景気変動の影響を受けない給付を弾力倍率の計算対象から除外することで、景気変動に応じて機動的に保険料率の変更を行う弾力条項の考え方に沿ったしくみとする。いずれも4月1日から施行された。

保険料率の関係では、雇用保険二事業にかかる保険料率の弾力条項も見直す。現行は財政状況に応じて本来の料率から0.05%引き下げることが可能だが、さらに0.05%引き下げられるようにする。令和3年4月1日から施行する。

以下、施行日の早い順に改正事項を整理すると、失業等給付の受給資格の判定の基礎となる被保険者期間の要件については、勤務日数(賃金支払いの基礎となる日数)が月11日以上とする従来の基準を満たしていない場合に、月の労働時間が80時間以上であれば被保険者期間とする基準を補完的に設定する。週所定労働時間20時間以上などの被保険者要件を満たしながら、勤務日数が足りず被保険者期間に算入されないような事例を解消する。令和2年8月1日施行だ。

複数就業者(マルチジョブホルダー)に対する雇用保険適用は、対象を65歳以上の高年齢被保険者に限定し、試行的に実施する。本人の申出を起点に2つの事業所の労働時間を合算し、週所定労働時間が20 時間以上となれば適用する取扱いとする。令和4年1月に施行し、施行後5年を目途に効果等を検証していく。

高年齢雇用継続給付は、同一労働同一賃金により定年再雇用後も雇用形態にかかわらない公正な待遇が求められていくことから、将来的な廃止を視野に給付率を縮小する。激変緩和の観点から令和6年度までは現行の給付率を維持した上で、令和7年度から新たに60歳となる高年齢労働者を対象に、給付率の上限を10%とする予定だ。

このほか、法律事項ではない改正として、自己都合離職者に対する基本手当の給付制限の短縮(3ヵ月→2ヵ月)が予定される。短縮されるのは5年間のうち2回までに限定し、施行後2年を目途にその効果等を検証するとした。施行時期は未定。

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