年金時代

国会審議・年金改正法案―令和2年4月17日㈮衆議院厚生労働委員会の質疑から

「国会審議・年金改正法案」は、国会における年金改正法案の審議内容をすべて網羅したものではありません。「年金時代」の国会担当記者が注目した質疑・答弁をピックアップ・整理したものとなっております。

国光あやの議員(自由民主党・無所属の会)

国光議員:被用者や低年金者にとって、年金改正法案の効果や意義を伺いたい。
高橋俊之年金局長:より長く多様なかたちとなる就労に世の中が変わってきている。それに年金制度を反映させていく。長期化する高齢期の経済基盤を充実させるという考え方から、被用者保険の適用拡大、年金の受給開始時期の選択肢の拡大などを改正法案に盛り込んだ。とりわけ、被用者保険の適用拡大については、これまで短時間労働者は国民年金や国民健康保険に適用されていたが、適用拡大されることで厚生年金の2階部分の年金もしっかりと確保していただくことができる。また、これまで国民年金で未納や免除となっていた人も、事業主負担が入るので、しっかりと基礎年金の1階と2階部分の年金ともども確保してもらえることになる。そうしたことから、低年金の防止に大いに役立つと考えている。そのほか多岐にわたる改正事項を盛り込み、全般的に年金制度の機能の充実に役立つものと考える。

国光議員:被用者保険の適用拡大は今後どのように進んでいくのか。
高橋局長:中小企業の事業主の負担がたいへん大きいことから、経営への配慮も欠かせない。そうしたことから、ここ1、2年、関係者の意見を丁寧に聞きながら議論を重ねてきた。今回の改正では、2024年10月に50人超規模の企業まで適用し、そこまでの間の中間年にあたる2022年10月に100人超規模の企業まで拡大する。それに向けてまだ2年および4年あるので、事業主また従業員には丁寧な説明をしていくとともに、事業主への生産性向上の支援なども行い、円滑な実施に努めていきたい。

国光議員:受給開始年齢の選択肢の拡大の意義について改めてお聞きしたい。
高橋局長:長期化する高齢期の経済基盤を充実させ、就労と年金の柔軟な組み合わせを可能にする繰り下げ受給のニーズが、今後高まっていくのではないかと考えている。そこで、今回の改正では、現在70歳までとしている繰り下げの年齢を75歳まで拡大して、自身の就労状況に合わせて、年金を受給する時期を選択する幅を広げる。これにより高齢期にあっても、意欲を持って働く高齢者の年金を充実させていくための選択肢を増やす。また、繰り下げ受給の制度は、高齢期になってから考えるのではなく、若いうちから、たとえば「ねんきん定期便」等で丁寧に説明するなどして、将来こうしたしくみを活用できるということを広めていくことを通じて、活用を図っていきたいと考えている。

桝屋敬悟議員(公明党)

桝屋議員:受給開始時期の選択肢の拡大だが、60歳から70歳までとなっている現在の制度を60歳から75歳までに拡大するということだが、多くの国民がまた年金の受給が遠のいてしまうのではないと心配している。まずは今回の改正でも年金の受給開始年齢の原則は65歳で変わらないということを確認しておきたい。そのうえで、マクロ経済スライドの見通しを踏まえて、年金の給付水準を維持しようとすると、足下の2019年度に65歳の人の年金の所得代替率を確保するには、何歳まで年金の受給開始を延ばせばいいのか、教えてほしい。
高橋局長:現行の年金制度は将来世代の負担を過重にしないということで、2004年の年金制度改正において、保険料の上限を固定したうえで、その範囲内で給付水準を調整するマクロ経済スライドを導入している。その意味では65歳の支給開始年齢を維持したうえで年金財政の長期的なバランスがとれるしくみになっている。そのため、年金の支給開始年齢は、昨年6月に閣議決定された骨太方針や、昨年12月に取りまとめられた全世代型社会保障検討会議の中間報告でも、現在65歳からとなっている年金の支給開始年齢については引き上げを行わないと書いてある。
また、マクロ経済スライドにおいて、年金の水準は調整されるが、昨年の財政検証では代表的なケースにおいて、現在2019年度に20歳になる1999年生まれの世代は66歳9ヵ月まで就労して繰り下げ受給を選択すれば、現在の2019年度に65歳の人と同じ所得代替率の61.7%の給付水準を確保できる。

桝屋議員:厚生年金よりも基礎年金のほうがマクロ経済スライドの期間が長くなることから、所得保障機能が劣化してしまうことになっているが、このことは次の課題として議論を進めなければならないと思うが、大臣はどう考えているのか。
加藤勝信厚生労働大臣:2004年の改正のときは基礎年金も報酬比例の厚生年金もマクロ経済スライドの調整期間はいっしょだったが、その5年後の財政検証以降、基礎年金の調整期間が延びて、反対に報酬比例部分の調整期間が短くなっていくというアンバランスが生じた。今回の財政検証では前回よりもこうした傾向はやや改善しているが、根本的なそうした違いは残っている。その背景にあるのは、年金額を賃金で調整するか、物価で調整するかというところにあり、年金額は従来、物価を優先して調整してきたが、物価より賃金の伸びが低かったことから、こういう状況が生まれた。いちおうそうしたことは解消されたので、今後、そのアンバランスがさらに拡大することはかなり解消されているのではないかと思うが、しかし足下のアンバランスをどう考えるか、これは引き続き検討すべきことだと考えている。今回の法案のなかにも検討規定が2つあるが、その1つにあえて公的年金制度の所得再配分機能の強化ということを明示した。

2016年年金改革法(「公的年金制度の持続可能性の向上を図るための国民年金法等の一部を改正する法律」)において、年金額の改定ルールの見直しが行われ、賃金変動が物価変動を下回る場合に賃金変動に合わせて年金額を改定する考え方を徹底(2021年4月施行)。

西村智奈美議員(立憲民主・国民・社保・無所属フォーラム)

西村議員:まず、委員会での審議初日に総理が出席するというのはおかしいと申し上げておく。まずしっかりと(質疑の内容を)切り分けて、新型コロナ対策は対策として議論して、年金は大事な議論だからこそしっかりと時間をかけて審議をしたうえで、総理に出席していただき質疑をするということをやっていただかないと、厚生労働委員会として審議の質が担保できない、と強く委員長に申し上げておきたい。
新型コロナの影響で、経済成長のシナリオそのものが崩れている。そうしたなか2019年の財政検証を前提とした法案を審議することが適当なのかどうか、あるいはいまの状況にきちんと対応できている法案だと言えるのか。

4月17日の衆院厚生労働委員会は13時30分に質疑が始まり、途中15時30分から安倍晋三内閣総理大臣が出席しての質疑となった。通常、委員会への総理の出席は、審議が山場を迎え、採決を前提とした委員会が開催されるときとなった段階などで、野党の求めに応じて実現する。

加藤大臣:財政検証は足下1、2年だけを見て答えを出しているわけではない。おおむね100年間の長期的な給付と負担の収支の見通しを確認することを目的としている。経済前提については財政・金融の専門家で構成される専門委員会が、財政検証はおおむね100年にわたる超長期の推計であることを踏まえ、足下の一時的な変動にとらわれず超長期の視点に立ち、妥当と考えられる範囲内において設定される、という基本的な考え方を示されている。これを踏まえて財政検証を行い、今回の法案を提出した。

尾辻かな子議員(立憲民主・国民・社保・無所属フォーラム)

尾辻議員:緊急経済対策では社会保険料については猶予措置を行うということだが、減免すべきではないか。
加藤大臣:いま多くの事業者の収入が急減している状況を踏まえて、税制における対応と同様の措置として、新たに無担保で延滞金なしで1年間社会保険料の納付を猶予できる特例を設けている。社会保険制度はその制度に加入している被用者を保障するための費用を企業と被用者全体が納める保険料によって賄う制度であるということにしっかり立脚しておかなければならない。保険料負担が給付との見合いで設定されており、年金や医療等の社会保険の給付は経済状況にかかわらず継続をしていかなければならない。したがって売り上げが急減した事業者の対応としては、今回行う延滞金を課さないという特例的な手当てを講じたうえで、保険料の猶予措置で対応するとともに、さらにそれ以降については、社会保険料の納付が困難な場合は現行の納付猶予するしくみも活用しながら対応していくことになる。

尾辻議員:基礎年金の給付水準はどのような考え方で設定されているのか。2019年財政検証において、マクロ経済スライドの発動によって、基礎給付水準が大きく低下することが明らかになったが、そのことについての具体的な検討が行われていない。
加藤大臣:一般的には、年金でどのような生活ができるかということを考えれば、普通は物価で割り戻して考えるのではないか。そう考えると、いまはそう大きく物価は減少しているのではないと言える。そこで、基礎年金の考え方だが、これだけで老後の生活を賄うというものではない。現役時代に構築した生活基盤や貯蓄、また厚生年金受給者については2階部分と基礎年金を組み合わせて生活を行うという考え方に立って、基礎年金は全国民共通の定額給付の設計とされている。ただ、賃金に対する所得代替率で見ると、2004年のときには、基礎年金と報酬比例部分の厚生年金はどちらも同じ所得代替率だったが、2009年の財政検証以降、基礎年金部分と報酬比例部分とが大きく乖離してきた。そのなかで基礎年金が持っている所得再分配機能をどう考えるのかだが、そこはしっかり考えていかなければならない。残念ながら今回の年金改正の議論のなかでは結論を出すことはできなかったが、次に向けて、どういうやり方があるのか、しっかりと議論していかなければならないと考えている。

尾辻議員:標準報酬月額が厚生年金保険と健康保険とでは上限が違う。このことが、厚生年金において所得再分配が機能していない原因ではないかという指摘がある。
加藤大臣:年金制度は保険料に応じて年金支給額が増えるかたちになっているから、当然、保険料負担が増えれば、高額の年金を支給することになる。しかし、それだけ高い年金を公的年金制度として支給すべきなのかという議論もある。そこで、一定程度抑えるようにしているが、基本的には全厚生年金被保険者の標準報酬月額を平均した2倍に相当する額が現行の標準報酬月額の上限を継続的に超える場合には、標準報酬月額の最高額を引き上げると法律には書いてあるが、こうした考え方をとっている。

2004(平成16)年の年金制度改正では、その後は5年に一度の財政再計算が行われなくなることに伴い、保険料算定のもととなる標準報酬月額の等級区分のうち最高等級(現行62万円)について、今後の賃金の伸びに応じて、政令改正で改定するしくみに改められた。標準賞与額についても、現在150万円の上限が定められているが、これは最高等級の標準報酬月額の人の年収の平均をもとに、年間の賞与額を算出しているため、標準報酬月額の最高等級に改定が行われたときには、この上限も改定されることになる。

宮本徹議員(日本共産党)

宮本議員:受給開始年齢の選択肢を広げることから上限を70歳から75歳に引き上げるが、単身者で65歳から85歳まで月15万円の年金をもらう場合と、75歳から85歳まで184%に増額された月27万6千円の年金をもらう場合とで、所得は年金収入のみの場合、それぞれの年金にかかる所得税・住民税の負担はどれくらいか。また、総額ではどうなるか。
高橋局長:65歳から月額15万円の年金を受給する場合の所得税・住民税の月額は約1,800円程度。この年金を75歳に繰り下げて184%に増額された月額27万6千円の年金額を受給する場合の所得税・住民税の月額は1万9千円程度となる。また、85歳までの負担総額で比較すると、65歳から85歳までの20年間を月額15万円の年金を受給すると年金の受給総額は3,600万円、所得税・住民税の負担総額は約42万円。一方、75歳から85歳までの10年間月額27万6千円の年金額を受給すると、年金総額は3,300万円、所得税・住民税の負担総額は約225万円となる。
これは単純に比較すべきものではなく、どのくらい長生きするかわからないなかで、増額された年金を終身で受け取るという保険としての意味が大きいということで、繰り下げの時期の選択肢を拡大したことの趣旨ということをご理解いただきたい。

宮本議員:基礎年金でいま70歳まで繰り下げた場合と、マクロ経済スライドによる調整が終わったあとに、同じ人が75歳まで繰り下げた年金とでは、どちらが高くなるか。
高橋局長:マクロ経済スライドは賃金や物価の伸びの範囲内で年金の伸びを抑えるもので、年金の額が減るわけではない。そのうえで、将来の年金の水準を見通すうえで、現役の賃金との比較である所得代替率と年金受給者の購買力を示す物価上昇分を割り戻した実質価格の双方を見ているわけだが、実質価格で見るとマクロ経済スライドの調整期間が終了すると横ばいとなる。たとえば2019年度の基礎年金額6.5万円が2047年度には6.2万円になる。これに繰り下げを組み合わせると、いまの6.5万円の年金を70歳まで繰り下げた1.42倍の年金額よりも将来のマクロ経済スライド調整後の6.2万円の年金額を1.84倍したほうが明らかに大きい。
宮本議員:購買力で見るとどうか。
高橋局長:いま申し上げた金額が物価上昇で割り戻した購買力で表した実質価格となる。
宮本議員:所得代替率で見たらどうか。
高橋局長:所得代替率は現役の賃金との比較なので、どちらが大きいかということで言うと、実感として合うのは、物価上昇で割り戻した購買力である実質価格での比較だと思う。

宮本議員:国民年金と厚生年金の財政統合をやると、大半の世帯は所得代替率が増えると思うが、減る世帯もある。どういう世帯が減るのか。
高橋局長:国民年金と厚生年金とを財政統合したらどうなるかということだが、国民年金と厚生年金とでは保険料や給付の設計がまったく異なっているので、現在のしくみを変更して、財政統合を行うことについてはさまざまなご意見があると承知している。先般の財政検証では、当面、マクロ経済スライドは厚生年金、基礎年金の双方に同時にかかっていき、時間をかけて徐々に給付水準を調整するしくみなので、いますぐただちに財政統合しなければならないようなことにはなっているとは考えていない。したがって、財政統合した場合の試算は現在行っていないし、試算を行うにしても制度設計の具体的なかたちを示していただいたうえでないと容易にはできない。まずは幅広く基礎年金をどうとらえるかという議論をしていくことが必要だと思う。

安倍総理が委員会に出席、年金改正法案を審議

繁本護(自民民主党・無所属の会)

繁本議員:年金積立金の資産構成割合で株式を50%に引き上げたことにより、今回のパンデミックによる株安の影響をまともに受けることになった。年金積立金の運用に係る見通し、これからも安心して年金を受け取ることができるという国民への安心感について、総理の認識をお聞かせいただきたい。
安倍晋三内閣総理大臣:年金積立金の運用は長期的な観点から行うこととされている。平成13(2001)年度からの自主運用の開始以降昨年末までの積立金の累積収益は約75.2兆円で、年金財政上の必要な収益を十分に確保している。また、今後とも年金の積立金は長期的な視点で見ていくことが必要と考え、引き続き内外の経済動向等を考慮しつつ安全かつ効率的な運用に取り組んでいく。

繁本議員:適用拡大を進めるにあたり、新型コロナウイルス対策も含め、中小企業支援はどう考えているのか。
安倍総理:人生100年時代の到来を見据えて、年金制度も働き方の変化を中心に据えた改革を進めるため、パートへの厚生年金の適用拡大を進めることが重要と考える。今回は中小企業の影響も踏まえて、50人超の中小企業まで段階的に適用範囲を拡大することとした。中小企業には新型コロナウイルス感染症による現下の困難な経営状況を乗り越えていただくため、実質無利子、無担保、最大5年間元本返済不要の融資制度による支援、雇用調整助成金の拡充を通じた従業員の雇用と収入の確保、事業者負担の軽減、税や社会保険料の猶予による手元資金の確保、売り上げが大きく減少した中小企業には最大200万円、個人事業者には最大100万円の給付金による事業継続の支援などで支えていくなど、政府としても総力をあげて取り組んでいく。

桝屋敬悟(公明党)

桝屋敬悟:基礎年金の所得保障機能について総理の問題意識を伺いたい。
安倍総理:年金の財政検証結果によると、マクロ経済スライドによる給付水準の調整終了後の所得代替率は代表的なケースでは、前回の財政検証時の50.6%に対して、今回は50.8%に改善した。これに先立つ過去2回の財政検証ではマクロ経済スライドによる調整期間が延びて所得代替率も下がる傾向にあったが、昨年の検証結果では厚生年金の被保険者の増加といった年金財政のプラス要素もあり、所得代替率の低下にも歯止めがかかった。このように支え手を増やすことが年金制度にとっても重要だということが確認された。さらに、被用者保険の適用拡大は厚生年金だけでなく、基礎年金の給付水準を確保するうえでもプラスの効果を持つことが確認された。パートへの適用拡大を進めていくことで基礎年金水準の向上を図っていきたいと考えている。

岡本充功(立憲民主・国民・社保・無所属フォーラム)

岡本議員:今回の制度改正法案には、なぜ低年金対策を盛り込まなかったのか。
加藤大臣:今回の法案の趣旨は、一つには昨年の財政検証の結果を踏まえ、基礎年金水準の確保につながる被用者保険の適用拡大などを行い、高齢期の経済基盤の充実を図ることにしている。低所得者、無年金・低年金の高齢者については年金受給資格期間の25年から10年への短縮や、年金生活者支援給付金の支給、さらには医療や介護の保険料軽減、これらをすでに実施してきている。

藤田文武(日本維新の会・無所属の会)

藤田議員:新型コロナ対策では時間軸を長く見て、いま支援しないと企業がもたない。雇用調整助成金の日額を大幅増加して日額2万円に、社会保険料は猶予となっているが免除にしてほしい。
安倍総理:社会保険料については1年間猶予として、その間、売り上げが大きく減少した中小企業には最大200万円、個人事業者には最大100万円の給付金で支援していく。それを保険料負担軽減につなげていただきたい。企業には最大200万円、個人事業者には最大100万円の給付金で支援していく。それを保険料負担軽減につなげていただきたい。
加藤大臣:雇用調整助成金の上限を引き上げることはむずかしい。

雇用調整助成金は、1人1日当たり雇用保険基本手当日額の最高額(令和2年3月1日時点で8,330円)を上限としている。

野党が修正案を提出、趣旨説明を行う

岡本充功(立憲民主・国民・社保・無所属フォーラム)

年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律案に対する修正案について、提出者を代表して、その趣旨を説明する。
昨年8月に公表された財政検証では将来の所得代替率50%を確保できるケースであっても年金の給付水準は約2割低下、基礎年金では約3割低下することが明らかになっている。今回の年金制度改正にあたってはこの基礎年金の給付水準低下への対策が最大の課題であるにもかかわらず、政府案は適用拡大の範囲をはじめとして不十分な内容にとどまっている。
また、高齢期の所得確保をより充実させる観点から、個人型確定拠出年金の加入可能期間のさらなる延長や拠出限度額の見直しを進める必要があるほか、児童扶養手当と障害年金の併給調整の見直しについても、子の数が増えるほど受給できる差額が少なくなることがないよう法律で定める必要があると考える。
こうした認識のもと政府案では十分とは言えない年金制度の機能強をよりいっそう進めるため、本修正案を提出した。
次の本修正案の主な内容について説明する。
①適用拡大の企業規模要件を令和4年10月1日以降50人超の企業に適用し、令和6年10月以降は企業規模要件を撤廃する。賃金要件を月額6万8千円に引き上げる。
②国民年金の加入期間を任意で65歳まで最大45年間の加入を可能とし、第2号・第3号被保険者が最大45年の加入期間とした年金額を算定するのに必要な法制上の措置をとる。
③国民年金基金、個人型確定拠出年金の加入資格を有していたが加入していなかった期間がある場合、現行の加入資格にかかわらず、加入期間を任意で延ばすことを可能とする。個人型確定拠出年金の拠出限度額は、企業型確定拠出年金と確定給付企業年金を実施している場合の企業型確定拠出年金の拠出限度額と同額とするほか、確定拠出年金の中小企業向け制度について実施可能な従業員の規模を政府案の300人以下から500人以下に拡大する。
④児童扶養手当と障害年金の併給調整について、障害基礎年金の受給に対する児童扶養手当の支給額は子の数にかかわらず子が1人の場合の額を下回ることがないようにする。
⑤公的年金制度等の検討事項のうち、マクロ経済スライドにかかわる検討事項を削除する。

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