年金時代

雇用労働 日雇派遣の原則禁止、副業で従事する者の規制緩和に賛否

厚生労働省の労働政策審議会職業安定分科会労働力需給制度部会(部会長=鎌田耕一・東洋大学名誉教授)は6月17日、労働者派遣法で原則禁止とされる日雇派遣(日々または30日以内の期間を定めて雇用される派遣労働者)について審議した。政府の規制改革推進会議は副業・兼業を促進する観点から、副業として行う場合の日雇派遣について規制緩和を求めている。使用側委員からは本業年収500万円以上とする年収要件の緩和や、例外的に認められている18業務の拡大などを求める意見も出たが、「日雇い」で「派遣」という不安定な就労形態を拡大する懸念は強く、労働者側委員は現行の原則禁止の維持を主張した。

日雇派遣が例外的に認められるのは、①ソフトウェア開発、通訳、秘書などの18業務に派遣する場合、もしくは②60歳以上の者、昼間学生、副業として従事する者(本業年収500万円以上)、主たる生計者以外の者(世帯収入500万円以上)を派遣する場合だ。このうち、副業で従事する者の年収要件として500万円以上とされたのは、生活のためにやむを得ず日雇派遣の仕事を選ぶことがないほどの年収があれば、日雇派遣という就業形態であっても保護に欠けるおそれが少ないとして、標準生計費の2倍程度の年収を基準に定められた経緯がある。

厚生労働省によると、日雇派遣で働く者は令和元年で3万1千人となり、ここ数年間は3万人前後で推移している。このうち副業で従事する者の日雇派遣は8.9%で全体の1割に満たない。年収要件の確認状況を見ると、派遣元調査では源泉徴収票等の公的証明書で確認をしているのは55.3%で、自己申告書へのサイン(20.0%)、口頭で確認(14.0%)のほか、「確認していない」も10.7%に上った。また、派遣労働者に対する調査では約4割(39.9%)が「年収を確認されたことはない」と回答しており、こうした現場の実態に規制緩和よりも先に制度の適正な実施の確保を求める意見が出されている。

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