年金時代

企業年金 DCの拠出限度額などの議論を開始―社保審企業年金・個人年金部会

厚生労働省の社会保障審議会企業年金・個人年金部会(部会長=神野直彦・日本社会事業大学学長、東京大学名誉教授)は7月9日、確定拠出年金(DC)における掛金の拠出限度額などについての議論に入った。企業型DCの事業主掛金は月額5.5万円が非課税となる基準額だが、この基準額を超えてしまう加入者がいることから見直しを検討するべきという意見が以前から出ていた。これを踏まえ、月額5.5万円の考え方を議論の対象とする。また、企業型DCと確定給付企業年金(DB)を併せて実施している場合、拠出限度額は企業型DCのみを実施する場合の拠出限度額月額5.5万円の半額となる月額2.75万円としている。しかし、多くのDBではこの水準より低い実態となっているため、年金局は、企業型DCの拠出限度額を月額5.5万円からDBごとの掛金額を控除した額とすることを例示した。個人型DC(iDeCo)の拠出限度額は、①企業型DCのみに加入している人が月額2万円(ただし、企業型DCの事業主掛金額との合計が月額5.5万円)②DBと企業型DCに加入している人が月額1.2万円(ただし、企業型DCの事業主掛金額との合計が月額2.75万円)③DBのみに加入している人は一律月額1.2万円――と、それぞれ異なっている。この点に関して、DBごとの掛金額の実態を反映し、企業型DCとDBに加入している人のiDeCoの拠出限度額を月額2万円(ただし、企業型DC・DBの事業主掛金額との合計が月額5.5万円)で統一することが一例として提案された。また、現在従業員が個人型DCに加入するときには、企業年金の加入状況について事業主証明を発行しているが、事業主の負担となっているため、廃止することが例示された。

このほか、今般の新型コロナウイルス感染症防止のための措置の影響により、事業主がDB掛金を拠出することに支障があると見込まれる場合についての対応も検討する。2008年のリーマンショック当時、事業主がDB掛金を拠出することに支障があると見込まれる場合に、掛金の引き上げの猶予等の措置を講じた。今回も同様の取り扱いを認めるかどうかも議論することにしている。

以上の事項は、令和3年の税制改正要望に反映できるように議論を進めるとしている。次回は部会委員やオブザーバーとなっていない関係団体からヒアリングを実施する予定だ。

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