年金時代

[雇用労働]過労死等防止対策白書を公表、状況は緩やかに改善

厚生労働省は10月30日、令和2年版過労死等防止対策白書を公表した。白書は、これまでの過労死等の防止に向けた取り組み状況をまとめており、労働時間の縮減、年次有給休暇の取得率、勤務間インターバル制度の導入割合、メンタルヘルス対策などいずれの状況も前年に比べて改善していることがわかった。ただ、過労死等の労災認定状況は、令和元年の脳・心臓疾患の支給決定件数が216件(前年比22件減)、精神障害の支給決定件数が509件(同44件増)となっており、いずれも横ばい傾向が続いている。

政府の過労死等防止対策大綱は、労働時間の縮減に向けて令和2年までに週労働時間60時間以上の雇用者の割合を5%以下とする数値目標を掲げている。白書によると、週労働時間60時間以上の雇用者の割合は、令和元年に6.4%まで減少しており、平成15~16年の12.2%をピークに減少傾向が続いている。同じく年次有給休暇に関しては、令和2年までに取得率を70%以上とする数値目標を掲げているが、同日公表された就労条件総合調査によると、平成31年・令和元年の取得率は5年連続で上昇したが、56.3%にとどまった。

また、政府は終業時刻と次の始業時刻との間に一定時間の休息を設ける「勤務間インターバル制度」が過労死等防止対策に有効であるとして、令和2年までにその導入割合を10%以上、制度を知らない企業割合を20%未満とする数値目標を策定。働き方改革関連法で事業主の努力義務とし、取り組みを推進している。就労条件総合調査によると、平成31年・令和元年の導入割合は4.2%、制度を知らない企業は10.7%となっており、制度の周知に関する目標は達成した。

一方、職場のメンタルヘルス対策に関する状況については、令和4年までにメンタルヘルス対策に取り組んでいる事業場の割合を80%以上とする数値目標を掲げているが、平成30年の状況は59.2%にとどまる。白書によると、事業所規模別で従業員100人以上の企業は97~99%の取り組み状況にあり、小規模企業の取り組みに課題があることは明確だ。

このほか、ストレスチェック結果を集団分析し、その結果を活用した事業場割合は平成30年に63.7%になり、前年の51.7%から大幅に改善。令和4年までに60%以上とする数値目標を達成した。一方で、仕事上の不安、悩みまたはストレスについて、職場に事業場外資源を含めた相談先がある労働者の割合は平成30年に73.3%となり、前年(72.5%)から微増したものの、令和4年までに90%以上とする数値目標には届いていない。

厚生労働省ホームページ▶過労死等防止対策白書(10月30日)
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