年金時代

[雇用労働]雇用調整助成金の支出増で雇用安定資金マイナスに

厚生労働省は11月13日、労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会を開催し、現時点の雇用保険財政と執行状況を報告した。それによると、令和元年度に1兆5,410億円あった雇用安定事業の積立金(雇用安定資金)が令和2年度予算ベースで、1,899億円まで減少する見込みであることがわかった。これには雇用保険本体の積立金からの借り入れ5,000億円が含まれており、借り入れ分を除くと3,101億円のマイナスとなる。雇用調整助成金等の支出が大幅に増加したことが影響したもので、直近で最も落ち込んだ平成8年の2,187億円を下回り、過去最低の水準だ。

政府は新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するため、雇用調整助成金の特例措置を実施したほか、休業手当を受け取っていない中小企業の労働者への直接給付として新型コロナ対応休業支援金を創設。一部は一般会計から繰り入れるものの、大半は雇用安定事業から支出され、同省は令和2年度の雇用調整助成金・新型コロナ対応休業支援金の支出を1兆8,772億円と見込む。一方、保険料収入は5,878億円にとどまり、一般会計の繰り入れ(3,172億円)や5,000億円の借り入れを含めても、収入は1兆4,239億円と見込まれ、雇用調整助成金等の支出分にも届かない見通しだ。雇用安定事業を含めた雇用保険二事業は、事業主のみの雇用保険料で負担しているが、近い将来の雇用保険料率(令和2年度は0.3%)の引き上げは避けられそうにない。

厚生労働省ホームページ▶労政審職業安定分科会雇用保険部会(11月13日)
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