年金時代

国会審議から――脱炭素社会に関連して(10月30日 参議院本会議)

菅総理の所信表明演説に対する質疑(代表質問)

○[質問]山口那津男議員(公明党)
▶脱炭素社会への自治体や経済界の具体的な取り組みを後押しする手厚い支援が必要と考えるが、総理の答弁を求める。
○[答弁]菅義偉総理大臣
▶(脱炭素社会に向けた自治体や経済界への支援について)2050年カーボンニュートラルを実現するため、内閣全体でしっかり体制を組み、取り組んでいく。国と地方で検討を行う新たな場や成長戦略会議でしっかり検討を行い、あらゆる政策を総動員して、地方自治体や経済界の取り組みを後押しする。

○[質問]片山虎之助議員(日本維新の会)
▶総理は所信表明で2050年までに温室効果ガスの排出をゼロにすることを宣言した。方向性は理解できるが、従来の50年までに80%削減という目標でさえ、現時点で存在しない革新的技術の開発、普及が不可欠と言われ、電力構成のみならず、わが国経済や国民生活にきわめて重大な影響を及ぼす。あと30年で本当に実現できるのか、そのためにはいつまでに何をしなければならないのか、国民に具体的にわかりやすく示してほしい。
○[答弁]菅義偉総理大臣
▶(温室効果ガスに向けた取り組みについて)2050年カーボンニュートラルを実現するため、内閣全体でしっかり体制を組み、取り組む。今後、具体的な方策については、成長戦略会議や国と地方で検討を行う新たな場、こうした場所で集中的に検討していく。また、革新的技術の開発、普及については、産業構造や経済社会の変革をもたらし、大きな成長につながるという発想の転換を進め、次世代型太陽電池、カーボンリサイクル、水素をはじめとした革新的なイノベーションを推進し、経済と環境の好循環をつくり出す。

○[質問]小林正夫議員(国民民主党)
▶エネルギーの安全保障について聞く。天然資源に乏しいわが国のエネルギー自給率は、2018年度、11.8%。命や生活や産業を維持していくために、エネルギーの安全保障はきわめて大事だ。10月13日に、総合資源エネルギー調査会において、エネルギー基本計画の見直し議論が始まった。総理は所信表明の中で、安定的なエネルギー供給を確立すると言った。さらなる文化的生活や第五世代移動通信システム、電気自動車の普及等をめざす社会は、質の高い電力の安定した供給がなければ成り立たない。総理は電源構成のベストミックスはどうあるべきと考えるのか。経済産業大臣には、エネルギー基本計画の見直しに対する姿勢を聞く。
○[答弁]菅義偉総理大臣
▶(電源構成のベストミックスについて)2050年カーボンニュートラルを実現するため、内閣全体でしっかり体制を組み、取り組んでいく。特に、効果ガスの8割以上を占めるエネルギー分野の取り組みが重要であり、電源についても、再エネのみならず、原子力を含めてあらゆる選択肢を追求していく。今後、2050年のカーボンニュートラルをめざす道筋を含めエネルギー政策について集中的に議論し、結果を出していく。
○[答弁]梶山弘志経済産業大臣
▶(エネルギー基本計画の見直しついて)エネルギー基本計画については、今月13日から見直しに向けた議論を開始した。エネルギー政策を進めるうえでは、安全性の確保を大前提に、経済性、気候変動の問題への配慮、エネルギー供給の安定性といった観点についてバランスをとることが重要だ。今後、日本は2050年カーボンニュートラルの実現をめざすが、その過程においても、質の高い、災害に強い安定的な電力システムなど、エネルギー安全保障の確保は達成すべき課題だと認識している。こうした認識を踏まえて、結論や期限ありきではなく、さまざまな意見を聞きながら議論を進めていきたいと考えている。

○[質問]小池晃議員(日本共産党)
▶総理は所信表明で、2050年までに、温室効果ガスに排出を全体としてゼロにするとした。これを30年先の空手形に終わらせないために、いま何をなすべきかが鋭く問われている。第一に、石炭火力発電所の新規建設をどうするのか。石炭火力発電に対する政策を抜本的に転換するとした以上、新規建設を中止し、既存石炭火力の計画的な停止、廃止に踏み切ることを明言していただきたい。第二に、温室効果ガスゼロのためには、省エネ、効率化の徹底とともに、再生可能エネルギーの本格的な導入が必要だ。2030年の発電に占める再生可能エネルギーの目標を少なくとも4割以上にするべきではないか。
▶福島の復興の妨げとなる、東京電力福島第一原発事故により発生している汚染水の海洋放出の強行は許されない。当面は陸上保管を継続し、国内外の英知を結集し解決すべきではないか。地球環境のために脱炭素と言いながら、放射能による生命の危機を引き起こす原発に頼るなど、言語道断、時代錯誤の極みではないか。
○[答弁]菅義偉総理大臣
▶(再生可能エネルギーと石炭火力について)2050年カーボンニュートラルを実現するため、研究開発への支援を通じて、国民負担を抑制しつつ、再生可能エネルギーを最大限導入を進める。また、石炭火力に関しても、カーボンニュートラルに貢献するようなイノベーションを追求していく。いずれにしても、石炭火力や再エネの将来像を含めたエネルギー政策について集中的に議論し、結論を出していく。
▶(東京電力福島第一原発のALPS処理水の取り扱いと原子力発電について)福島の復興には廃炉の着実な進展が不可欠であり、その一環であるALPS処理水の取り扱い方針を決定する必要がある。本年2月に報告書をまとめて以降、広く国民から貴重な意見をいただき議論を積み上げた。敷地がひっぱくする中、いつまでも方針を決めず先送りはできない。今後、さらに政府内で検討を深め、適切な時期に責任をもって処分方針を決めていく。そのうえで、原子力発電はいかなる事情よりも安全性を最優先することは言うまでもない。今後、原子力を含め2050年カーボンニュートラルをめざすエネルギー政策については集中的に議論し、結果を出す。

○[質問]磯﨑仁彦議員(自由民主党)
▶脱炭素を進める過程では、新たな技術やビジネスによる温室効果ガス排出削減の最大化を図ると同時に、環境と経済の好循環をつくり上げる工夫が必要ではないかと考えるが、総理の考えを聞きたい。
○[答弁]菅義偉総理大臣
▶(環境と経済の好循環をつくり上げる工夫について)2050年カーボンニュートラルを実現するため、内閣全体でしっかりとした体制を組み、取り組んでいく。指摘いただいたように、産業構造や経済社会の変革をもたらし、大きな成長につながるという発想の転換を進めて、次世代型太陽電池、カーボンリサイクル、水素をはじめとした革新的なイノベーションを推進し、経済と環境の好循環をつくる。

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