年金時代

第203回国会審議から――脱炭素社会に関連して(11月4日 衆議院予算委員会)

第203回国会は、11月4日、衆議院予算委員会で基本的質疑を行った。脱炭素社会に関連した質疑について掲載する。

○[質問]枝野幸男議員(立憲民主党)

▶「脱炭素社会2050年」は結構なことだが、原子力発電の活用を選択肢として認めている。脱炭素社会実現のため、原子力発電所を新設したり、増設したりすることも選択肢として考えている、こういう認識なのか。

○[答弁]梶山弘志経済産業大臣

▶徹底した省エネ、再エネの最大限の導入に取り組むとともに、原発依存度を可能な限り低減する、これが政府の考え方だ。そのうえで、カーボンニュートラルは簡単なことではなく、日本の総力を挙げての取組が必要と考える。このため、あらゆる選択肢を追求するなかで、必要な限りにおいて原子力も活用する。今後、原子力を含む2050年のエネルギー需給構造やカーボンニュートラルをめざす道筋については、エネルギーの安定供給を確保しつつ、経済と環境の好循環をつくり出していけるよう、集中的に議論をしていく。

○[質問]枝野議員

▶2050年の目標には、これから30年あるが、いま稼働させることが可能な原発もいずれも耐用年数が切れる。選択肢として、新しい原子力発電所をつくることはあり得ると総理は考えているということか。

○[答弁]菅義偉総理大臣

▶原発の新増設について、現時点では考えていない。

○[質問]枝野議員

▶原子力発電は選択肢だと言うが、30年後にはほとんどの原子力発電の耐用年数が切れるにもかかわらず、新増設はしないというのは矛盾しないか。

○[答弁]梶山経済産業大臣

▶原子力が2050年においても選択肢として活用できるように、新型、革新炉を含めた技術開発等、不断の安全性向上に向けた取組は進めていく。今後、原子力を含む2050年のカーボンニュートラルをめざす道筋において、総合エネルギー調査会とグリーンイノベーション戦略推進会議で集中的に議論をしていく。

○[質問]枝野議員

▶2011年3月11日の東京電力福島第一原発事故があって、いまもなお、ふるさとに帰れない人たちがたくさんいる、残念ながら立ち入れない、住めない地域をたくさんつくってしまっている、こうした状況を考えるならば、一日も早く原発依存から脱却しなければならないし、そのために新しい発電所をつくるということは考えられない。その経験と教訓を踏まえるならば、原子力に依存しないで脱炭素社会をめざすからこそ、新たなさまざまなところでの脱炭素に向けた技術革新が生まれて、それが日本の競争力になると思う。原発の事故の教訓を踏まえれば、そういう道を選ぶべきではないのか。

○[答弁]小泉進次郎環境大臣

▶福島の教訓を忘れていないのかという話があったが、かつて原発の立地だった福島県の大熊町、また、近くの浪江町があるが、そこはゼロカーボン宣言をされ、いま環境省が新たに再生可能エネルギーの導入などの支援をやっている。福島県全体としても、2040年までに再生可能エネルギーを実質100%で県づくりをやるという未来に向けたまちづくりを環境省は後押ししながら、除染、中間貯蔵などしっかりと業務を進めている。決して福島のことを忘れることなく、脱炭素、これをいかに実現していくか。正に総理から、地球温暖化対策推進法の見直しも含めてさっそく検討に入るように指示があった。環境省としても、あしたからそのキックオフをするが、しっかりとそのなかで道筋を描いていきたいと考えている。

○[質問]玉木雄一郎議員(国民民主党)

▶2050年カーボンニュートラルの目標について伺う。EV(電気自動車)の支援については百万円を超えるぐらいの購入補助にする必要はないか。

○[答弁]小泉環境大臣

▶環境省としては、長期的にガソリン車のマーケットは、グローバルな市場は縮小していくと見ている。EVをはじめ、水素もそうだが、後押しをしたいと思っている。それは、運輸部門の脱炭素化と動く蓄電池として再エネの主力化を同時達成できる。そして、災害時には、給電可能で自立分散型のエネルギーシステムの構成要素ともなる。バッテリーはリユースなどが可能であることから、脱炭素社会への移行と分散型社会への移行、そしてサーキュラーエコノミー、循環型の経済への移行という3つの移行を同時に統合的に進めることができる一つのカギがこのEVにあると思っている。もちろんメーンは経産省のEVの関係もあるが、環境省としては、再エネと同時に、動く蓄電池としてEVを導入するような取組、そして物流、配送分野の二輪のEV化も含めて支援していく。今後、EVをはじめとした電動車が日常にある社会を実現できるように、経産省等も含めてコミュニケーションを深めて、縦割りを排して支援をより強化できることが何か考えていきたいと考えている。

○[質問]玉木議員

いま、小泉環境大臣が(答弁に)出てきたことも結構意味がある。たぶん、財源は石油石炭税で、エネルギー対策特別会計だ。基本的にそこに大きな力は経産省がもち、ちょっとしか環境省はもらえない。まさに菅総理がずっと言っている縦割りは、エネルギー政策にいちばん出ている。ここを突破して、小泉大臣にも梶山大臣にも言って、少なくとも欧州に負けないぐらいの購入補助制度を、この年末の予算でつくるということでどうか。

○[答弁]菅総理大臣

▶2050年にカーボンニュートラル、脱炭素社会を実現するために、経済産業大臣と環境大臣を留任させた。正に今日までの縦割りの、ある意味では象徴だったというふうに思う。そういうなかで留任をさせ、そして先般、全閣僚の会議を開き、それぞれ全力で取り組むよう指示をした。いずれにしろ、さまざまな問題について、厳しい問題だが、受け身でなくて積極的に取り組んで、それぞれが日本の成長につなげていきたい、そんな思いで取り組んできた。

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