年金時代

第203回国会審議から――脱炭素社会に関連して(11月6日 参院予算委)

第203回国会は、11月6日、参議院予算委員会において総括質疑を行った。そのなかから、脱炭素社会に関連した質疑について掲載する。

○[質問]中西祐介議員(自由民主党)
▶日本の環境技術を世界に全面展開するため、二国間クレジット制度を推進して、世界のCO2排出量の削減を日本がリードしていく強力な体制を確立すべきと考えるが、どうか。

外務省ホームページ▶二国間クレジット制度(JCM)

○[答弁]茂木敏充外務大臣
▶気候変動分野での国際的な貢献は、わが国の経済外交のカギを握るものだと考え、これまでも二国間クレジット制度を活用した日本の環境技術の海外展開によって、途上国、開発途上国での温室効果ガス排出削減に貢献している。今後も、わが国の2050年カーボンニュートラル、さらには世界のカーボンニュートラルの実現に向けて、気候変動分野での国際的な取組もしっかりとリードしていきたいと考えている。

○[質問]矢田わか子(国民民主党)
▶総理が宣言した脱炭素社会をめざすというビジョンには共感するが、30年後のことだが、どのように実現していくのか、決意を聞きたい。

○[答弁]菅義偉内閣総理大臣
▶2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現をめざすためには、温暖化への対応を経済成長の制約としてとらえるのではなく、積極的に温暖化対策を行うことで成長戦略としてとらえることが必要だと考える。この挑戦を産業構造や経済社会の発展につなげて、経済と環境の好循環を生み出していくことが重要だと思う。また、革新的技術の開発普及については、産業構造や経済社会の変革をもたらし、大きな成長につながるという発想の転換を進め、次世代型太陽電池、カーボンリサイクル、水素をはじめとした革新的なイノベーションを推進していきたいと思う。先週の地球温暖化対策推進本部で私から全閣僚に対し、一丸となって取り組むよう指示しました。今後の具体的な方策については、成長戦略会議や国と地方で検討を行う新たな場などにおいて集中的に検討を行い、方向性をしっかり出していきたいと思う。

第42回地球温暖化対策推進本部が10月30日㈮に開催され、「2050年カーボンニュートラルに向けた取組について」が議事とされた。

○[質問]矢田議員
▶小泉環境大臣はCOP25では石炭火力の撤退を明確に宣言できなかったが、これについていまはどう思うか。
○[答弁]小泉進次郎環境大臣
▶菅総理が今回、2050年の温室効果ガスを排出ゼロとしたことは、非常に野心的な目標の高いものだが、総力を挙げてやろうと宣言した。これで国際社会のなかで日本が評価されるべき技術、そしてさまざま努力が発信できる土台ができたと思っている。これから総理の指示の下で、環境省では、地球温暖化対策計画の見直しなど、昨日(11月5日)からすでに具体的な議論に入った。そういったものを来年のCOP26に、関係省庁、経産省も含めてしっかりとまとめ上げて、国際社会で評価されるようなものをつくっていきたい。そして脱炭素社会を必ず実現したいと思う。
○[質問]矢田議員
▶実現に向けて、経産省、環境省(の枠)を超えてしっかりやってほしいと思うが、発電に占める自然エネルギーの割合は17.4%だが、これを100%にもっていっても、CO2の排出で発電部門が占める割合は40%にすぎない。本当に大事なのは、産業部門、そして運輸部門、事務所、オフィスの家庭部門等でもやらなければならない。工場関係、自動車関係での取組がないと排出ゼロはできない。EV(電気自動車)の普及、再生可能エネルギーの安定供給に資する蓄電池技術の向上が重要だと思う。特に、蓄電池の技術開発は、中国に比べて日本の投資はすごく少なく、4分1か3分の1しかない。ぜひ、ここの部分を環境大臣そして経済産業大臣に進めてほしいと思うが、どう取り組むのか。
○[答弁]小泉環境大臣
▶運輸部門のEV化もきわめて重要だと思う。環境省としては、コロナを受けて、改めてEコマース(インターネットでのものの売買)の需要、そしてデリバリーの需要、このことによって配送分野のCO2の排出が増えてはいけないので、配送分野におけるEV化の支援に力を入れてやっている。ただ、全体のEV化をもっと進めていかなければ、世界的にガソリン車を販売禁止する市場が多くなってきたこと、そしてまた、EVの支援を特にヨーロッパは日本の2倍、3倍はやっていて、最近ではドイツやフランスは前年同期比で比べEVが3倍くらい売れている。こういった国際社会の潮流を見て、日本としてもできる支援を強化していく。そのために関係省庁の協力をしっかりと深めていきたいと思う。
○[答弁]梶山弘志経済産業大臣
▶2050年カーボンニュートラルには、運輸部門、特に自動車の電動化が不可欠であると思っている。電動化に際しては、今度は蓄電池の開発ということになり、充電時間の短縮であるとか走行距離、航続距離をいかに延ばせるかということも含めて質も上げていかなければならない。また、いまは液体を使っているが、全固体電池という革新型蓄電池の研究開発等にも力を入れていかなければならないと思っている。研究開発のみならず、大量に生産するときの支援もしっかりやらなければ実装にはつながらないという意識で取り組んでいく。

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