年金時代

[雇用労働]失業なき労働移動で社労士会と産雇センターが共同宣言

全国社会保険労務士会連合会(大野実会長)と産業雇用安定センター(太田俊明理事長)は2月16日、「失業なき労働移動実現に向けた相互協力に関する共同宣言」に調印し、相互の協力関係を強化する方針を確認した。新型コロナウイルスの感染拡大による影響が長期化するなか、政府はこれまでの労働者の休業等による雇用維持に加えて、雇用過剰業種から雇用不足業種への出向等による「失業なき労働移動」の支援を強化している。両団体の連携強化により、働く人の雇用維持や企業の人材確保の支援がさらに進展することが期待される。

産業雇用安定センターの太田理事長によると、同センターではコロナの影響による一時的な出向ニーズに対応し、昨年6月から出向マッチング支援の強化を図っており、令和2年度の出向・移籍の成立件数は、前年度から約1割増えて1万件を超える見通しだ。だが、人材を受け入れる側の企業の確保は充分でなく、特に中小企業への認知度の低さが課題とされる。また、実際のマッチングの場面においても、受け入れ企業側の情報が少ないことが障壁となり、成立に至らなかったケースもあるという。そこで、企業の実情に詳しい社労士に注目。雇用調整が必要な企業、あるいは人手が足りなくて困っている企業に対し、産業雇用安定センターの機能を紹介してもらうとともに、企業間のマッチングに不可欠な情報を社労士が企業から聞き出し、情報提供・情報共有を図る役割が期待されている。

連合会の大野会長は、受け入れ先の企業がどのような人材を求めているかといった情報の共有に加えて、企業の詳しい業務内容や文化・風土など、案件ごとにきめ細かなサポートを行うことが、失業なき労働移動の実現には不可欠だと指摘。日ごろから中小企業の事業主等と対面し、さまざまな相談を受けている社労士だからこそ、そうした実態を把握し、情報を引き出すことができると強調した。その上で、共同宣言を機に個々の社労士がそうした意識を高め、産業雇用安定センターと力をあわせて取り組んでいきたいと述べた。

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