年金時代

[国会審議]令和3年1月22日㈮参議院本会議――施政方針演説に対する質疑

●山口那津男議員(公明党)に対する答弁

○脱炭素社会の構築について
菅義偉内閣総理大臣:2050年カーボンニュートラルの実現に向け、昨年末のグリーン成長戦略において、洋上風力や水素など14の重要分野ごとに高い目標を掲げている。その目標の達成に向け、2兆円の基金や税制措置をはじめ規制改革、標準化、国際連携など、あらゆる施策を総動員して、民間企業の大胆な投資とイノベーションを促し、産業構造の転換と力強い成長を生み出す。特に、高い技術力を持つ中小・ベンチャー企業は、大企業と協力することで新産業をつくり出していく可能性を秘めている。こうした低コストな蓄電池や次世代太陽光発電などの革新的な技術開発を2兆円の基金をはじめとするあらゆる措置で支援していく。

○COP26に向けた具体案と自治体支援について
菅総理:脱炭素社会の構築に向けて、水素や洋上風力などの省エネの最大限の導入をはじめあらゆる選択肢を追求し、社会経済の変革について議論を進める。COP26までには詳細を詰め、2030年の排出削減目標を設定し、それまでの道行きとあわせて、世界に表明していく。脱炭素社会の実現には、国と地方が協力し、それぞれの地域における温室効果ガスを大幅削減することが重要だ。昨年末に設置した国・地方脱炭素実現会議で具体的なロードマップについて議論を進め、自治体の計画立案から設備導入までを支援し、先行的な脱炭素地域を創出し、全国展開していく。

●片山虎之助議員(日本維新の会)に対する答弁

○第三次補正予算について
菅総理:第三次補正予算については、病床の確保、雇用や事業の支援に加え、必要なコロナ予備費を確保しており、緊急事態宣言下における新型コロナ対策や特措法改正後の事業者の支援にも対応できる予算となっている。

○補正予算の在り方について
菅総理:補正予算は、当初予算編成後に生じた事由に基づき、緊急性の高い経費や支出や義務的な経費の不足を補うために編成するものだ。今回の第三次補正予算も、指摘のあった基金や国土強靭化対策も含め、昨年12月に決定した経済対策に盛り込んだ緊要性の高い政策課題に対応するために編成したものだ。

○コロナ予備費について
菅総理:令和2年度および令和3年度のコロナ予備費については、感染が長引くなか、臨機応変に、時機を逸することなく対応する必要が生じることも十分考えられることから、必要なものとして、考えている。

○カーボンニュートラルと原子力政策について
菅総理:2050年カーボンニュートラルは、発想を転換してイノベーションを実現していけば十分に実現可能であると考える。原発については、安全最優先、すなわち新規制基準に適合と認めた原発のみ、地元の理解を得ながら進めていく。また、現時点で原発の新増設は考えていないという政府の立場に変わりはない。使用済燃料対策、高レベル放射性廃棄物の最終処分等についても、これまでと同様に地元と向き合いながら進めていく。2050年カーボンニュートラルに向けて、原子力も含めあらゆる選択肢を追求していくなかで、コスㇳの観点も含めて議論し、結論を国民に示していく。

○電力需要と2050年に向けた再エネ導入の目安に関して
菅総理:足下の電力の安定供給はしっかりと確保されているため、直ちに国民に節電をお願いする状況にはない。また、電気料金については、あらかじめ単価の決まっている契約が大半であることから、影響は限定的であると考えている。再生可能エネルギーについては、2050年カーボンニュートラルに向け、より安定供給に貢献できるよう、蓄電池の活用や研究開発等への支援を通じて最大限導入を進める。

○デジタル庁の設置後に取り組むべき制度改正について
菅総理:デジタル庁においては、医療、教育、防災など、生活に密接に関連している国民からの期待が大きい分野について、システムの整備方針を定めるとともに、必要な規制、制度上の課題の洗い出しと見直しを関係省庁と連携して推進していくことにしている。年金、健康保険、雇用保険等の手続や保険料等の支払いについても、国民生活に密接に関係するものであり、デジタル化を通じて利用者視点でのサービスの改革が実現できるよう検討していく。

●榛葉賀津也議員(国民民主党)に対する答弁

○雇用調整助成金の特例措置の延長について
菅総理:コロナ禍において多くの人が生活に不安を感じているなか、しっかりと雇用を守ることは政治の使命だ。雇用調整助成金などの特例措置は、延長する方向で調整している。

○療養期間中の勤労者への保障制度について
菅総理:新型コロナ患者が治療に専念できるよう、入院治療費は全額公費により負担している。そのうえで、新型コロナ対応として、国民健康保険の保険者が任意で支給している傷病手当金について、国が特例的に財政支援することとしている。また、濃厚接触者である従業員を休ませた場合には雇用調整助成金の支給対象とされ、国からの賃金保障が皆無という(榛葉議員の)指摘は当たらないものと考える。政府としては、国民の命と暮らしを守り、感染拡大を抑えつつ雇用や事業を維持する、この考えに基づいて必要な措置を講じている。

○盤石なエネルギー供給体制について
菅総理:脱炭素社会の構築に向けて、再エネの最大限の導入をはじめ、あらゆる選択肢を追求して議論していくが、同時に、電力の安定供給を確保することは大前提だと認識している。そのため、強靭なエネルギー供給体制を構築し、安定した電源への投資を促すための制度整備について、エネルギー基本計画の改定において集中的に議論し、結論を出していく。

○新車販売の電動車100%について
菅総理:政府では、過去に例のない2兆円の基金や過去最高水準の最大10%の税額控除を講じていく。産業界とも緊密に連携し、革新的な蓄電池の開発やインフラ整備などを今後検討し、産業構造の変革が円滑に進むよう取り組んでいく。また、自動車関係諸税についても、技術革新や社会の変化などを踏まえながら、2050年カーボンニュートラルの実現に貢献することを含め、その在り方について検討していく。

答弁する菅総理。

●小池晃議員(日本共産党)に対する答弁

○飲食店への支援について
菅総理:事業者の規模にかかわらず、事業を継続し、雇用を維持できるよう、公庫等によるきめ細かな資金繰りや、さらに支援、雇用調整助成金の特例などを行っている。こうした支援に加え、飲食店への協力金や納入業等への一時金の支給をあわせて行うことで、対策をより実効的なものとするとともに、事業と雇用を守っていく。

○給付金や雇用調整助成金などについて
菅総理:給付金については、申請期限を延長したところであり、今回の緊急事態宣言を踏まえ、無利子、無担保融資の限度額引き上げおよび一時金の支給を行う。雇用調整助成金などの特別措置については、延長する方向で調整している。

○第三次補正予算について
菅総理:第三次補正予算においては、病床の確保、雇用や事業の支援に加え、必要なコロナ予算費を確保しており、組み替えを行わなくても新型コロナ対策にしっかり対応できる予算としている。この補正予算を早期に成立させ、コロナ予備費も活用しつつ、感染拡大を防止し、経済と国民生活を守っていく。

○生活に困窮している人への支援について
菅総理:緊急小口資金等の特例貸付けや住居確保給付金の支援など重層的なセーフティーネットにより、それぞれのニーズに応じて支援を行っている。

●田名部匡代議員(立憲民主党)に対する答弁

○給付金およびGoToイートについて
菅総理:給付金については、申請期限を延長したところであり、今回の緊急事態宣言を踏まえ、無利子、無担保融資の限度額引き上げおよび飲食店への協力金や納入業者等への一時金の支払いを行う。これにより雇用や事業を支える。GoToイート事業については、地域経済を下支えするものであり、先月の経済対策において延長が決定されているが、各都道府県において感染状況を踏まえて運用を見直している。

○一時金制度の対象について
菅総理:今回の一時金は、政府が発令する緊急事態宣言に伴う飲食店の営業時間短縮などの影響により、大幅に売上が減少する中小事業者に支給することにしている。こうした基本的な考え方の下で、経済産業省において制度の詳細を詰め、ホームページ等で周知させる。

●渡辺猛之議員(自由民主党)に対する答弁

○デジタル社会構築に向けた戦略について
菅総理:役所に行かずともあらゆる手続ができる。地方にいながら都会と同じような仕事や生活ができる。デジタル庁が司令塔となり、世界に遜色のないデジタル社会を目指す。デジタル庁は、改革の象徴として本年9月に創設する。準備を加速していく。組織の縦割りを排し、強力な権能と、初年度は3,000億円の予算を持った強力な組織として、国全体のデジタル化を主導していく。今後5年間で自治体のシステムも統一・標準化を進め、業務の効率化と住民サービスの向上を徹底していく。マイナンバーカードの普及のために、この3月には健康保険証との一体化をスタート、4年後には運転免許証との一体化も開始する。5Gの速やかな全国展開を進めるほか、来年度までに500億円の予算で離島を含めた全国津々浦々に光ファイバーを張り巡らせ、通信インフラの整備を進める。さらに、情報通信インフラの海外転換を積極的に進めるほか、ビヨンド5Gの実現に向けた官民が連携した研究開発などを強力に推進していく。

○環境対策と経済成長について
菅総理:経済と成長、経済と環境の好循環を実現するため、世界市場の獲得も視野に入れた企業の前向きな挑戦を応援し、大胆な投資とイノベーションを促す。このため、環境投資への大胆な一歩を踏み出すべく、成長が期待される分野を中心に、2兆円の基金や税制措置など、あらゆる政策を総動員し、産業構造の大転換と力強い成長を生み出す。

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