年金時代

[雇用労働]令和3年度最低賃金改定の目安は全国一律28円引き上げ、使用者側が異例の反対表明

厚生労働省の中央最低賃金審議会は7月16日、令和3年度地域別最低賃金改定の目安について、全国一律で28円の引き上げとする答申を取りまとめた。引き上げ率に換算すると3.1%。前年度はコロナ禍の影響で目安を示すことができず、結果的に全国加重平均で1円の引き上げにとどまったが、令和3年度は一転して過去最高の引き上げ額を示した。今後は各都道府県の地方最低賃金審議会で目安を参考に実際の改定額を決定し、10月頃から適用する。仮に目安どおりに引き上げられれば、東京都が1,041円、神奈川県が1,040円、大阪府も992円と1,000円に迫る。一方で、最も低い水準の沖縄、秋田、佐賀など7県も820円となり、全都道府県で800円を上回る。

中賃審の答申は、中賃審の下に設置された目安小委員会における公益委員見解を軸とした報告に基づき、全会一致で取りまとめるのが通例だが、今年度は使用者側委員が採決を求め、4人が反対を表明。「コロナ禍に苦しむ全国の飲食、宿泊業者を思うと到底容認できない」「経営環境と経営実態がいまだ通常に戻っているわけではなく、賃金上昇率も昨年度より低い中で、過去最高額のアップは説明できない」などと訴えた。最終的には賛成多数で答申がまとめられたが、中賃審において反対意見が表明されるのは異例のことで、同省によると、採決が行われたのは昭和54年以来2回目。使用者側は、事業の存続と雇用の維持が最優先だとして、最低賃金を引き上げず、現行水準を維持することを求めていた。

厚生労働省ホームページ▶令和3年度地域別最低賃金改定の目安について
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