年金時代

[雇用保険]雇用保険部会で基本手当の暫定措置延長を検討

労働政策審議会職業安定分科会の雇用保険部会(部会長=守島基博・学習院大学経済学部教授)は9月24日、雇用保険制度の見直しに向け、特定理由離職者に対する基本手当の所定給付日数の拡充などの暫定措置について意見交換を行った。労使代表委員より暫定措置の延長を求める意見が出された。

衆参附帯決議で特定理由離職者の暫定措置の恒久化を含め検討を要請

「特定理由離職者」とは、①期間の定めのある労働契約の期間が満了し、労働者が更新を希望したにもかかわらず更新できずに離職した者と、②疾病など正当な理由のある自己都合で離職した者である。特定理由離職者は基本手当等の受給に必要な被保険者期間が一般よりも短く設定されている。さらに前者の場合は、特定受給資格者と同様に所定給付日数を長くする暫定措置が令和4年3月末まで取られている。暫定措置で基本手当を受給している特定理由離職者については、手当の支給が終了するまでの就職割合が特定受給資格者全体と比べて10ポイント程度低く、56.1%に止まる(令和元年度)。

平成29年の雇用保険法等一部改正法に対する衆参両院の附帯決議では、特定理由離職者の所定給付日数を拡充する暫定措置について、恒久化も含めて今後の在り方を検討し、必要な措置を講ずるよう求めている。

また、特定受給資格者又は特定理由離職者で、雇用機会が不足していると認められる地域として厚生労働大臣が指定する地域に居住し、公共職業安定所長が必要な職業指導を行うことが適当と認めた者に対して、地域延長給付として所定日数を超えて基本手当の給付が60日間延長されている(令和4年3月末まで)。

他方、新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための雇用保険法の臨時特例等に関する法律に基づき、基本手当の給付日数の延長に関する特例も設けられている。延長は60日(一部30日)。

暫定措置の解消の基準等を求める意見も

部会の意見交換では、特定理由離職者の所定給付日数を拡充する暫定措置について、労働者代表委員はコロナ禍の収束を見通せない現状において当面延長するよう求めた。また地域延長給付についても延長を要望した。

一方、使用者代表委員も特定理由離職者の暫定措置について「一定期間の延長はやむを得ない」と述べた。コロナ禍が収束し雇用情勢が安定化することを見越し、1年程度の延長とするよう提案した。暫定措置を延長するに当たり、雇用保険の国庫負担割合を法律上の本則の規定に戻すことが「大前提」とした。地域延長給付の延長も同様の対応を容認した。

またコロナ対応の特例の継続を認める一方、雇用保険財政を踏まえて特例の期限を明確にするとともに、暫定措置や特例措置の効果や財政負担について雇用保険部会で検証するよう主張した。さらにどういう状況になれば暫定措置を解消するかという基準や考え方を明確にすべきと指摘した。

雇用保険部会は今後も議論を深め、年内に報告書をまとめる予定だ。

厚生労働省ホームページ▶第155回労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会 資料
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