年金時代

[雇用保険]経済界が雇用調整助成金の継続、一般財源投入を政府に求める

岸田文雄総理大臣による新内閣が発足した10月4日、日本経団連は雇用調整助成金への一般財源の投入を政府に求める考えを表明した。日本商工会議所も一般財源を投入した雇用調整助成金の継続を求める要望書を新内閣に提出した。また全国中小企業団体中央会も9月30日、自民党新総裁に就任した岸田氏に対して雇用調整助成金の継続の必要を表明していた。一般財源投入の要望は、新型コロナウイルス感染症の拡大による業績悪化から企業の雇用調整助成金の活用が急増し、雇用保険財政を圧迫している状況が背景にある。

経団連は「当面の課題に関する考え方」を公表し、その中で「働き方改革と人材育成」について提言。経団連は、新型コロナウイルス感染症の収束が見通せない状況で、会員企業に引き続き雇用維持を働きかけるとした。雇用調整助成金等の活用が失業を防ぐことに寄与したと評価する一方、結果的に雇用保険財政が逼迫していることを指摘。当面は雇用調整助成金の財源確保で一般財源の投入を政府に求めていくことを表明している。さらに国庫負担の在り方を含め雇用保険財政の再建に向けて検討を急ぐべきと訴えている。また、場所と時間にとらわれない働き方を推進すべく、テレワークを巡る人事評価・労務管理上の課題について検討するとともに、健康・福祉確保措置の徹底を前提とした裁量労働制の対象拡大等、自律的・主体的な働き方に適した新しい労働時間制度の実現を目指すとした。

日商は要望書「岸田内閣に望む」を新内閣に提出した。要望書では、「コロナ禍で特に困窮する事業者に対して、資金繰り等の金融支援や一般財源投入による雇用調整助成金特例措置の継続に加えて、国・自治体による事業規模や売り上げ減少等を踏まえた協力金や支援金の迅速な執行と支援の拡充を講じられたい」と求めている。また、「コロナ禍の経済状況や企業経営実態を踏まえた最低賃金の審議の在り方の見直しとともに、最低賃金大幅引上げによる中小企業等への負担軽減策も講じられたい」と訴えた。

他方、全国中央会は9月30日、自民党新総裁に就任した岸田氏に対する期待を表明。「中小・小規模事業者への支援策としては、まず困窮している企業への支給金、支援金、雇用調整助成金などの止血策を継続することで、事業と雇用の存続を図ることが必要」と訴えた。新内閣発足後には大規模な経済対策の実施を要望した。

日本経団連ホームページ▶当面の課題に関する考え方(2021年10月)
日本商工会議所ホームページ▶「岸田内閣に望む」を提出
全国中小企業団体中央会ホームページ▶岸田新総裁に期待する
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