年金時代

[雇用労働]衆院総選挙、自民や立憲などの雇用・労働や年金に関する公約をみる

第49回衆議院議員総選挙が10月19日に公示された。投開票は同31日。自民党と野党第一党の立憲民主党を中心に、雇用・労働や年金に関する主な公約をみてみる。自民党は、コロナ禍の影響を受ける中小企業・小規模事業者の事業存続・雇用維持に総合的な支援を行うことや、「勤労者皆保険」の実現に向けて取組む方針を示した。立憲民主党は、望めば正社員として働ける社会を目指す上で「労働基本法」(仮称)を制定することを示した。

コロナ禍の影響を受ける中小企業の雇用維持等に総合的に支援─自民党

自民党は政権公約で「新しい資本主義」により「分厚い中間層」を再構築するなどとして次のような方針を示した。

〇新型コロナウイルス感染症への対策として、中小企業・小規模事業者への協力金・月次支援金の支給迅速化、実質無利子・無担保融資、返済猶予の要請、事業再構築補助金をはじめ、フリーランスを含めて雇用と事業継続に必要な支援を届ける。

〇雇用調整助成金や在籍型出向により、雇用と暮らしを守る。

〇コロナ禍の影響を受ける中小企業・小規模事業者の事業存続・雇用維持に総合的な支援を行う。

〇中小企業・小規模事業者の新分野展開や業態転換を支援するため、事業再構築補助金を拡充し、運用を改善する。

〇労働分配率の向上に向け、賃上げに積極的な企業への税制支援を行う。

〇働く人が誰でも加入できる「勤労者皆保険」の実現に向けて取り組む。

〇年金は将来に渡り国民が安心できる水準を確保する。

〇看護師・介護士・幼稚園教諭・保育士など賃金の原資が公的に決まる方々の所得向上に向け、公的価格のあり方を抜本的に見直す。

「労働基本法」(仮称)の制定を目指す─立憲民主党

立憲民主党は政策集2021で次のように示した。

〇「労働基本法」(仮称)をつくり、雇用について「無期、直接、フルタイム」の3要素を基本原則に位置付け、望めば正社員として働ける社会を目指す。

〇「同一価値労働同一賃金(均等待遇)」の法定化を目指す。

〇時給1,500円を将来的な目標に、中小零細企業を中心に公的助成しながら、最低賃金を段階的に引き上げる。

〇「職業訓練・訓練中の生活保障・マッチング」をパッケージ化した雇用の総合的セーフティネットを創設する。

〇年金の第3号被保険者制度の問題について、制度的公平や働き方に与える影響等を勘案しつつ、見直しの議論を進める。

〇社会保険料の月額上限を見直し、富裕層に応分の負担を求める。

〇新規の正規労働者に係る社会保険料の事業主負担を軽減する「中小企業正規労働者雇用臨時助成金の支給に関する法律」を制定する。

マクロ経済スライドの撤廃や「ジョブ型」雇用への転換促進も示される

公明党は、「雇用調整助成金」の特例措置等について、12月末までリーマンショック時(中小企業で最大9割)以上の水準を確保することや、再就職・教育訓練・非正規雇用労働者のキャリアアップ、賃上げを行う中小企業等に対する支援の拡充など雇用対策を強化することを示した。また年金についてはセーフティネット機能を強化するとしている。

日本共産党は、非正規雇用から正社員への流れを作るとともに、格差を是正する均等待遇を進めることや、最低賃金について中小企業への支援とともに時給1,500円に引き上げることを示した。年金制度について、マクロ経済スライドを撤廃することや高額所得者の保険料を見直して年金財政の収入を増やすことなどを上げた。

日本の維新の会は、「ジョブ型」雇用への転換促進のため、労働基準法を改正し、企業が労働時間ではなく、仕事の成果で評価できることを可能にするとしている。最低所得保障制度(給付月税額控除あるいはベーシックインカム)の導入の検討を示し、その導入に伴い在職老齢年金制度等を見直すとした。また年金制度を積立方式に見直すことを示した。

国民民主党は、中小企業に対して、正社員を雇用した場合に事業主の社会保険料を半減することや賃金を上げた場合に法人税減税や賃金補填制度で支援することを示した。求職者支援制度を拡充した「求職者ベーシック・インカム制度(仮称)」を構築するとしている。持続可能な年金制度の設計のため、経済財政の将来推計を客観的に行い統計をチェックする「経済財政等将来推計委員会」を国会に設置するとしている。

自民党▶政権公約2021
立憲民主党▶政策集2021
公明党▶2021衆院選政策集
日本共産党▶2021総選挙政策
日本維新の会▶維新八策2021
国民民主党▶政策5本柱
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