年金時代

[制度改正]第41回日本年金学会総会・研究発表会が開催される

第41回日本年金学会総会・研究発表会が10月21・22日、都内の会場並びにオンラインを活用して開催された。今年度の共通論題は「公的年金・私的年金の歴史的考察と改革への視座」。基調講演やシンポジウムでは、これまでの公的年金・私的年金について考察するとともに、今後の年金制度改正について展望。在職老齢年金の廃止に向け検討を進めることなどでほぼ一致した。シンポジウムで意見の一致をみた事項はまとめて、学会のホームページに掲載する方向だ。

代表幹事の交代があり、22日に開催された幹事会で、大妻女子大学短期大学部の玉木伸介教授が新たな代表幹事に選ばれた(写真)。挨拶に立った玉木新代表幹事は、年金の分野で使われる言葉に「様々な意味が入っている」と指摘。たとえば「積立方式」についてかつて厚生省で使われていた内容と今の企業年金で使われている内容では異なることなどをあげ、「国民に分かり易く、クリアにしていくうえで日本年金学会がたいへん有効なのではないか」と積極的な活動に向け意欲を示した。

21日には自由論題として7名が発表。22日には共通論題として6名が発表した後、慶應義塾大学の権丈善一教授が「不確実性と公的年金保険の過去、現在、未来」と題して基調講演。さらに権丈教授をオーガナイザーとして、発表者6名よるシンポジウムを行った。論題テーマと発表者は次の通り。

●10月21日(自由論題)

(1)新型コロナ後の年金財政と基礎年金の在り方 

稲垣誠一(公益財団法人年金シニアプラン総合研究機構特別招聘研究員/国際医療福祉大学教授)

(2)3級の障害厚生年金受給権者のWPP実現に向けて

井内義典(株式会社よこはまライフプランニング代表取締役)

(3)労働の変容に対応した年金制度の課題─年金改革の課題の歴史的変遷を踏まえて─

西村淳(神奈川県立保健福祉大学社会福祉学科教授)

(4)気候変動対策と新型コロナウイルス感染症が年金運用へ与える影響について

川野輪英子(昭和女子大学現代ビジネス研究所研究員)

(5)日本版IRAの創設に関する考察~諸外国からの示唆~

菅谷和宏(三菱UFJ信託銀行年金コンサルティング部上席研究員)

(6)確定拠出年金制度の自動移換問題 

津田弘美(野村證券株式会社確定拠出年金部)

(7)DB年金はなぜ第二の柱になれなかったのか─機能構造ファイナンス(FSF)を用いた制度評価

石田英和(レオス・キャピタルワークス株式会社未来事業室金融包摂担当部長)

●10月22日(共通論題)

(1)公的年金財政

坂本純一(公益財団法人年金シニアプラン総合研究機構特別招聘研究員/JSアクチュアリー事務所代表)

(2)賦課方式公的年金における積立金の運用と資金循環構造

玉木伸介(大妻女子大学短期大学部家政科教授)

(3)労働市場の変遷と厚生年金保険のあり方

藤森克彦(日本福祉大学福祉教育学部教授/みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社主席研究員)

(4)新たな将来像と年金制度の在り方

原佳奈子(㈱TIMコンサルティング取締役/㈳企業年金・個人年金教育者協会副理事長)

(5)公私の年金制度の役割分担に関する歴史的考察

谷内陽一(第一生命保険株式会社団体年金事業部課長/埼玉学園大学経済学部非常勤講師)

(6)企業と退職給付制度との関わり

上田憲一郎(帝京大学経済学部経営学科教授)

基調講演「不確実性と公的年金保険の過去、現在、未来」

権丈善一(慶應義塾大学商学部教授)

シンポジウム「公的年金・私的年金の歴史的考察と改革への視座」

パネリスト 坂本純一氏、玉木伸介氏、藤森克彦氏、原佳奈子氏、谷内陽一氏、上田憲一郎氏

オーガナイザー 権丈善一氏

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