年金時代

[雇用労働]平均賃金額を引き上げた企業の割合が2年連続で低下──令和3年賃金引上げ等の実態調査結果概況が公表される

厚生労働省は11月19日、令和3年賃金引上げ等の実態に関する調査結果の概況を公表した。所定内賃金の1人当たり平均額を引き上げた(引き上げる)企業の割合は前年より0.8ポイント低下して80.7%になった。令和2年も令和元年より低下しており、2年連続で低下した。他方、賃金改定を実施しない企業の割合は増加し10.1%と平成25年以来8年ぶりに10%を超えた。

厚労省は「詳細な分析はできていないが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が考えられる」と説明する。

賃金改定を実施しない企業は10.1%

調査は全国の民間企業における賃金の改定額や改定率などを明らかにすることを目的に、7~8月にかけて実施。製造業および卸売業・小売業は常用労働者30人以上、その他の産業は常用労働者100人以上を雇用する企業から抽出し、3,597社のうち1,934社から回答を得た。なお、概況は有効回答のうち常用100人以上の企業1,708社について集計したもの。

1人平均賃金(所定内賃金の1人当たり平均額)を引き上げた・引き上げる企業の割合についてここ5年の動向をみると、引き上げた(引き上げる)企業の割合は平成29年87.8%、平成30年89.7%、令和元年90.2%と上昇傾向であったのが、令和2年では81.5%と8.7ポイント低下。令和3年も80.7%と2年連続で低下した。

また1人平均賃金を引き下げた(引き下げる)企業の割合は平成21年の12.9%から低下傾向にあり、平成29年0.2%、平成30年0.4%になり、令和元年0.0%になった。令和2年には2.1%になり、令和3年は1.0%になった。

賃金改定を実施しない企業の割合は、平成29年6.3%、平成30年5.9%、令和元年5.4%と5~6%であったが、令和2年では9.5%と急増し、令和3年には10.1%と10%を超えた。10%を超えたのは12.9%であった平成25年以来、8年ぶり。

改定額の低下は3年連続

1人平均賃金の改定額は4,694円と前年の4,940円から264円低下した。改定率も0.1ポイント低下し1.6%となった。改定額は平成23年以降増加傾向で推移し、平成30年には5,675円(改定率2.0%)になったが、令和元年には5,592円(同2.0%)と83円低下。さらに令和2年には4,940円と元年より652円低下した。

宿泊業・飲食サービス業では賃上げした企業は産業別で最も低い56.5%

産業別に令和3年の賃金改定の状況をみると、宿泊業・飲食サービス業では1人平均賃金を引き上げた(引き上げる)のは56.5%と産業別で最も低かった。また、引き下げた(引き下げる)は3.1%と全体よりも高かった。ただし令和2年では、1人平均賃金を引き上げた(引き上げる)は49.3%、引き下げた(引き下げる)は7.5%であり、いずれも改善している。他方、賃金改定を実施しない企業の割合は令和3年で21.5%と産業別で最も割合が高くなった。

厚生労働省ホームページ▶令和3年賃金引上げ等の実態に関する調査結果の概況
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