年金時代

[公的年金]第6回ユース年金学会が開催される

第6回ユース年金学会が12月4日、開催された(共催:日本年金学会・年金シニアプラン総合研究機構・慶應義塾大学ファイナンシャルジェロントロジー研究センター、後援:厚生労働省)。京都産業大学・愛知県立大学・拓殖大学・お茶の水女子大学・慶應義塾大学のゼミ・研究会において年金等について研究する約30名の学生が研究成果を発表するとともに、5名の学生代表が厚生労働省年金局の岡部史哉年金課長と意見交換を行った。

岡部年金課長(正面左から3人目)が5人の学生と意見交換

学生から公的年金の所得代替率が50%を下回った場合の対応を問われ、岡部年金課長は、平成16年の年金改正法附則を示し、「50%を下回ったら何らかの措置を講じるとしか書いていない。そうならないように今、努力をしている」と説明。昭和60年以降の年金制度改正で行ってきた一連の給付抑制策を紹介し、平成16年改正でマクロ経済スライドが導入されたことにより、「保険料の上限を決めて給付を調整する仕組みが一応完成した」と述べた。

さらに、マクロ経済スライドの発動に関する質問に対して、マクロ経済スライドは平成27年、令和元年、令和2年の3回しか発動できていない状況を説明。またマクロ経済スライドによる給付調整に関連し、所得代替率の維持に着目した場合、年金の繰下げ受給が有効な手段であると紹介した。2019年度で20歳の人も66歳9ヵ月まで就労して年金受給を繰り下げれば、現行制度のままでも2019年度で65歳の世代と同様に所得代替率61.7%を確保できることになることを試算で示し、「1年くらい働いてもらうと同じ代替率になる。マクロ経済スライドによる給付削減の部分を結構カバーでき、繰下げをしやすくしている」と現在の年金政策を説明した。

学生の研究テーマと発表ゼミは次のとおり(発表順)。

発表1「確定拠出年金は公的年金を補完できるのか

西村ゼミ(京都産業大学経済学部/西村佳子教授)

発表2「国民年金における障害年金の成立背景から考える障害者の所得保障

中尾ゼミ(愛知県立大学社会福祉学科/中尾友紀准教授)

発表3「年金不安の日中比較

白石浩介ゼミナール(拓殖大学政経学部/白石浩介教授)

発表4「若年独身男女におけるライフプランと金融リテラシーの関係

永瀬ゼミ(お茶の水女子大学生活科学部/永瀬伸子教授)

発表5「これからの社会・経済動向を反映した世代別年金加入パターン推計

駒村康平研究会年金班(慶應義塾大学経済学部/駒村康平教授)

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