年金時代

[雇用労働]家庭内労働者の最低工賃の引き上げを目指す方針案を労政審部会で検討

厚生労働省は3月8日、家内労働者の最低工賃引き上げを目指す第14次最低工賃新設・改正計画実施方針案を、労働政策審議会雇用環境・均等分科会家内労働部会に示した。部会では異論は出なかった。厚労省は令和3年度内に第14次方針について全国の都道府県労働局長に通知する方向だ。

労働政策審議会雇用環境・均等分科会家内労働部会(3月8日)

家内労働は、メーカーや問屋などから部品や原材料の提供を受けて、個人で、または同居の家族と物品の製造や加工を行うもので、具体的に繊維工業や電気機械器具製造業など。家内労働従事者は昭和45年度には201万7,100人もいたが年々減少。実態調査によると、令和2年度には10万8,539人になっている。家内労働者の平均年齢は58.9歳であり、70歳以上が29.3%と3割。内職として従事する人が89.5%を占める。令和2年9月分の1人当たり平均工賃月収額は3万7,320円であり、1時間当たりの平均工賃額は520円となっている。

家内労働法では家内労働者の労働条件の最低基準を定めており、具体的に、工賃支払いの確保や最低工賃、安全衛生の措置、家内労働手帳の交付の徹底などを規定している。

最低工賃とは、ある物品について、その一定の単位ごとに工賃の最低額を決めるもの。家内労働法に基づき、厚生労働大臣または都道府県労働局長は、一定の地域内で一定の業務に従事する工賃の低い家庭内労働者の労働条件を改善するために、審議会の意見を聞いて、最低工賃を決定することができる。

これを踏まえ、厚労省は最低工賃新設・改正計画実施方針を都道府県労働局長に示し、原則、3年をめどに最低工賃の実態を把握し、見直しを求めている。見直しに当たっては原則、改正を目標とすることとし、改正等の決定は地方労働審議会等の意見を聴取して行うものとしている。今般の第14次方針は、令和4年4月から令和7年3月までを対象にしたもので、全国で97件の最低工賃について見直す計画となる。このうち対象人数が100人未満に減少するなどの理由から最低工賃の廃止を検討するものが16件含まれている。方針では、廃止に当たっては地方労働審議会等の意見を十分に聞いて尊重するよう求めている。

なお、家内労働手帳は、委託者と家内労働者間の紛争を防止するためのもので、業務の委託者が家内労働者に交付し、必要事項を記入することが義務付けられ、委託者や家内労働者、工賃の支払い方法、物品の受け渡しの場所などを記載する基本委託条件の通知や、委託業務の内容などを記載する注文伝票、工賃支払い額などを記載する受入れ伝票で構成される。

厚生労働省ホームページ▶第6回労働政策審議会雇用環境・均等分科会家内労働部会資料
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