年金時代

[賃上げ]介護職員等特定処遇改善加算の賃上げ効果を確認

厚生労働省は3月24日、令和3年度の介護従事者処遇状況等調査結果を社会保障審議会介護給付費分科会の介護事業経営調査委員会に提出した。2019年10月に導入された介護職員等特定処遇改善加算について、賃上げの効果が確認された。

特定処遇改善加算を取得している介護サービス事業所における介護職員(月給・常勤)の平均給与額を令和2年9月と令和3年9月を比較したところ、7,780円増加していた(31万5,410円→32万3,190円)。また令和3年度に新たに同加算を取得している事業所の介護職員(月給・常勤)の平均給与額について比較すると、1万3,410円増加していた(28万390円→29万3,800円)。厚労省は「同加算の効果」として評価した。

給与等を引き上げた理由では、特定処遇改善加算を踏まえて引き上げた事業所が23.1%、介護職員処遇改善加算を踏まえて引き上げた事業所が15.2%などとなっている(いずれも引き上げ予定を含む)。

加算の取得状況をみると、特定処遇改善加算については加算Ⅰおよび加算Ⅱの合計で72.8%と令和2年度調査から9.5ポイント上昇した。一方、同加算の届出を行わない理由で最も多かったのは、賃金改善の仕組みを設けるための事務作業が煩雑」(42.2%)、次いで「職種間の賃金バランスがとれなくなることが懸念」(40.2%)となっている。なお、処遇改善加算の取得も令和2年度から0.6ポイント上昇し94.1%になった。

特定処遇改善加算は、経験・技能のある介護職員について重点的に賃金を改善する一方、介護職員以外の職員にも配分も認めている。経験・技能のある介護職員の処遇改善では、「改善後の賃金が年額440万円以上となる賃金改善を実施」した事業所が最も多く、40.8%。また、53.3%の事業所でその他の職種にも配分しており、職種で最も多いのは看護職員であり、72.9%となっている。

コロナの影響も調査

今回は、新型コロナウイルス感染症による、一時休業や利用者の減少などの影響の状況も調べた。処遇状況等調査でコロナの影響を把握するのは初めて。

具体的に、▶利用者、職員のいずれかにコロナの陽性者が発生した▶利用者、職員のいずれかにコロナの濃厚接触者が発生した▶休業要請等により、一時休業や営業時間の短縮等の運営の縮小を行った▶感染による入院や利用控えによりサービス利用者が減少した──の4項目について、該当する項目の有無を尋ねた。全体では、1つ以上に該当した事業所が53.6%。特に通所リハが73.1%、老健施設が72.8%と7割を超えた。他方、「該当はない」は全体で38.5%であり、特に認知症対応型共同生活介護で67.1%、小規模多機能型居宅介護で51.4%と多くなっていた。

また、給与の引き上げ状況については、コロナの影響の有無別でみると、いずれの場合でも給与等を引き上げた事業所が約5割あり、大きな差がみられなかった。

特定加算を取得している事業所の介護職員(月給・常勤)の平均給与額でコロナの影響の有無別に令和2年9月と令和3年9月の状況を比較すると、「該当あり(影響あり)」が8,400円の増加、「該当なし」が6,470円の増加となっている。

コロナの影響があった事業所での給与の引き上げ額が大きかった点について厚労省は、介護事業経営調査委員会に対して「該当があった事業所は都市部の事業所や規模の大きい事業所が多かったことが影響していると考えられる」と説明した。

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