年金時代

[雇用労働]アフターコロナ見据え、厚労省の雇用政策研究会が議論開始

厚生労働省は4月6日、およそ1年4ヵ月ぶりに「雇用政策研究会」を開催し、「アフターコロナ」に向けた政策対応を見据え、構造的な課題について議論を求めた。委員からは、コロナ禍での雇用の維持で実施された施策の効果検証の必要性や「勤労者皆保険」を推進する提言を求める意見が出された。研究会は6月に議論を取りまとめる予定で、厚労省は骨太の方針等に反映させる考えだ。

研究会は厚労省職業安定局長が主催するもので、2022年度は14名の労働・経済・福祉政策などの研究者を招集した。研究会は2020年12月、新型コロナウイルス感染症の雇用情勢への影響を整理し報告書を作成。コロナ禍で顕在化した課題として▶女性の非正規雇用労働者への影響と不本意な非労働力人口化▶労働市場におけるミスマッチの悪化により円滑に進まない労働移動▶高卒・大卒の就職率の低下や就職活動のオンライン化▶デジタル化の進展による業務内容・タスク面の変化──などを指摘した。

これらに対して厚労省は足下の状況として、▶対人サービス業などでコロナの影響の長期化で失業期間の長期化がみられる▶感染症への懸念から女性・高齢者の非労働力化が継続する可能性がある▶人手不足産業への労働移動は進まず、ミスマッチが更に拡大▶テレワーク実施率は一時期より低下──などと説明した。

その上で論点として、▶ポストコロナに向けて女性や高齢者等の一層の活躍を進める上での課題と今後の方向性▶労働力供給の確保とともにウェルビーングを実現していくうえでの人材育成や処遇における課題と今後の方向性▶多様な就労ニーズを有する労働者が増加する中で個々の労働者のキャリア形成を支援する上での課題と今後の方向性▶マッチング機能の強化のために求められる、労働市場における基盤整備や、職業安定機関・民間人材ビジネスの取組──などを示した。

研究会では次のような意見が出された。

〇コロナ禍での雇用対策を評価する必要がある。それが終わった後で雇用情勢にどのような影響があるのかが大事な論点になる。

〇コロナ禍における雇用維持で相当な金額を雇用保険財政から使った。この後、雇用政策を実施するうえでの財源の問題を考えていく必要がある。限られた財源で有効な雇用政策をうっていくことを考えるべき。

〇コロナ禍でギグワーカーなどの働き方が雇用を守った面があるが、セーフティネットを考えていく必要がある。

〇政府は『勤労者皆保険』を大きな政策課題として掲げている。医療保険・年金保険では適用範囲を拡大しているが、非正規労働者は雇用期間や労働時間、月収などの要件がある。企業の規模の要件もある。雇用政策の面から皆保険を進めることが正しい方向であり、社会保障制度をサポートするように雇用政策研究会として提言するべき。

〇企業の雇用管理と報酬管理がどう変わるかを抑えるべき。

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