年金時代

[雇用労働]改正職業安定法施行に向け、関係政省令・告示改正を労政審部会が検討

厚生労働省は4月13日、労働政策審議会職業安定分科会の労働力需給制度部会を開き、10月に施行される改正職業安定法の関係政省令・告示改正の対応案を示し、検討を要請した。改正により、これまで法の対象外であった新たな形態の求人メディアについて規制を強化する方針だ。部会では対応案に強い異論を出なかった。改正政省令・告示は6月中旬に公布される予定で、厚労省は4月13日からパブリックコメントを開始した(5月12日まで)。省令や告示で規定する内容は広範囲に及ぶ。主な内容についてみてみる。

募集情報で虚偽表示した企業の求人を職業紹介事業者が不受理の対象に追加

3月31日に公布された雇用保険法等の一部を改正する法律には、次のような職業安定法改正が含まれており、募集情報等提供事業者への規制を強化する予定だ。

  • 新たな形態の求人メディア(ネット上の公表情報を収集する求人メディア等)を「募集情報等提供」の定義に含めるとともに、募集情報等提供事業者を、雇用情報の充実等に関し、ハローワーク等と相互に協力するよう努める主体として法的に位置付ける。
  • 募集情報等提供事業者に対して、募集情報等の正確性や最新性を保つための措置、個人情報保護、苦情処理体制の整備等を義務付けるとともに、現行の助言・指導に加えて、改善命令等の指導監督を可能とする。
  • 求職者情報を収集する募集情報等提供事業者には事前の届出を求める。

法改正施行に向け、厚労省は関係政省令・告示改正の対応案を労働力需給制度部会に示し、検討を求めた。

今般の法改正で、労働者の募集を行う者は広告等により募集情報等を提供するときは、虚偽の表示または誤解を生じさせる表示をしてはならないとされるとともに、正確かつ最新の内容に保たなければならないとしている。

この義務に違反し、違反の是正を求める勧告等に従わずに公表した場合について、政令(職業安定法施行令)の改正により、職業紹介事業者等が求人を不受理とする対象に加える。すでに求人不受理の対象となっている職業安定法第5条3(労働条件の明示)と同じく、履行されない場合、求職者の就業継続に重大な影響を及ぼす恐れがあるためだ。不受理の期間は現行の規定と同様に、違反の是正後6ヵ月経過までとする方向だ。

求人等の情報を正確・最新の内容に保つ措置を事業形態ごとに定める

求人等の情報を正確かつ最新の内容に保つ措置の方法について、職業紹介事業者や募集情報等提供事業者等を対象として、全事業者共通のものとそれぞれの事業者ごとのものを省令(職業安定法施行規則)で規定する。

具体的に全事業者共通のものとしては、求人等に関する情報の提供者や情報を提供されている求人企業・求職者から、掲載の中止や内容の訂正の依頼があった場合には、速やかに対応する。また、正確かつ最新の情報でないことを自ら確認した場合には、速やかに内容の訂正の依頼または掲載の中止を行うこととする。

それぞれの事業者ごとでは、次のいずれかの措置をとることを定めるとしている。このうち募集情報等事業者の中には、職業紹介事業者の依頼を受けて情報提供を行う者や受けないで行うものなど様々な事業形態があることから、法律の規定に沿って4つに分けて定める予定だ。「募集情報等提供」については第4条第6項で規定されている。

<職業紹介事業を行う者、労働者供給事業者>

次の❶か❷のいずれかの措置を求める(以下、同様)。

❶求人者や求職者に定期的に情報が最新であるか確認を行う。

❷求人や求職者の情報の時点を明らかにする。

 

<第4条第6項第1号に該当する募集情報等提供事業者>

求人企業の依頼に基づいて求人情報を提供する事業者であり、次のいずれかの措置を求める。

❶募集者等に対し求人が充足したときや内容を変更したときには、速やかに通知するよう依頼する。

❷労働者の募集に関する情報の時点を明示する。

 

<第4条第6項第2号に該当する募集情報等提供事業者>

求人企業の依頼なく、クローリングにより求人情報を収集・提供する事業者であり、次のいずれかの措置を求める。

❶労働者の募集に関する情報を、定期的に収集・更新し、その頻度を明確にする。

❷労働者の募集に関する情報を収集した時点を明示する。

 

<第4条第6項第3号に該当する募集情報等提供事業者>

求職者から依頼を受けて、求職者情報を労働者の募集を行う者等に提供する事業者であり、次のいずれかの措置を求める。

❶労働者になろうとする者に対し情報を正確かつ最新の内容を保つよう依頼する。

❷労働者になろうとする者が情報を提供・更新した時点を明示する。

 

<第4条第6項第4号に該当する募集情報等提供事業者>

求職者情報をクローリングしてくる事業者であり、次のいずれかの措置を求める。

❶労働者になろうとする者に関する情報を、定期的に収集・更新し、その頻度を明確にする。

❷労働者になろうとする者に関する情報を収集した時点を明示する。

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