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[協同労働]労協法等一部改正法案が衆院本会議で全会一致で可決、参院送付

議員立法による「労働者協同組合法等の一部を改正する法律案」は5月25 日、衆議院本会議において全会一致で可決、参議院に送られた。同改正法案は20日、衆院厚生労働委員会において、起草案を作成した橋本岳委員長から趣旨説明があり、これを委員会提出の法律案とすることを全会一致で決した。非営利性が徹底された労働者協同組合を「特定労働者協同組合」として認定するとともに、税制上の優遇措置を図ることを主な内容とする。同改正案は今通常国会で成立する見込みで、施行は労働者協同組合法の施行に合わせ、一部を除き10月1日からとなる。

労働者協同組合法は令和2年12月に議員立法により制定され、多様な働き方を実現しつつ地域の課題に取り組むための「労働者協同組合」の創設を可能とするもの。労働者協同組合は、組合員が出資し、それぞれの意見を反映した事業に組合員自らが従事することを基本原理とする。

25日の衆院本会議では、同法改正案の提案理由について橋本厚労委員長が、「労働者協同組合の事業の健全な発展を図り、持続可能で活力ある地域社会の実現に資するため、非営利性が徹底された労働者協同組合の認定制度を創設するとともに、認定を受けた労働者協同組合に対する税制上の措置を講じようとするもの」と述べ、次のようにその内容を説明した。

①労働者協同組合は、その定款に剰余金の配当を行わない旨の定め及び解散した場合において組合員に対しその出資額を限度として分配した後の残余財産が国若しくは地方公共団体又はほかの特定労働者協同組合に帰属する旨の定めがあること等の基準に適合するときは、特定労働者協同組合としての認定を受けることができる。

②特定労働者協同組合に係る特例として、外部監事の設置、報酬規程等の公開等、剰余金の配当の禁止、残余財産の分配等の規定を設ける。

③法人税法において、特定労働者協同組合を公益法人等の範囲に加え、収益事業から生じた所得以外の所得を非課税とする等の特定労働者協同組合に対する税制上の措置を講ずる。

採決では、総員が賛成。改正法案は衆院を通過、参院に送付された。

今般の改正案提案の背景には、労働者協同組合の法制化を推進してきた超党派の「協同労働推進議員連盟」の動きがある。同法の施行は今年10月1日だが、現在、NPOなどの別の法人形態で事業に取り組む団体が存在する。労働者協同組合は企業組合と類型が似ていることから、税法上は普通法人として課税されるが、それでは、現在NPO等として活動している団体が労働者協同組合に移行した場合に税負担が増えてしまうことになる。

こうしたことから議連では、労働者協同組合の制度ができても結果的に利用が進まなくなることを懸念し、必要な税制措置を政府に求めることを昨年11月に決議。法改正を前提にした税制措置について、与党税制改正大綱に盛り込み、令和4年度税制改正に反映させるとともに、必要な法改正について検討を進め、その内容を固めてきた。

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