年金時代

[私的年金]政府が骨太の方針を閣議決定、「資産所得倍増プラン」策定へ

政府は6月7日、「経済財政運営と改革の基本方針2022」(骨太の方針)と「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」を閣議決定した。骨太の方針等では、岸田首相が目指す「新しい資本主義」に向けた改革では「人への投資と分配」を進めることとし、その一環としてiDeCo(個人型確定拠出年金)制度の改革などを含む「資産所得倍増プラン」を今年末に策定する考えを示した。

骨太の方針では、預貯金・現金で保有されている個人金融資産の活用を目指して、NISA(少額投資非課税制度)の抜本的拡充やiDeCo制度の改革などを行うこととし、今年末に総合的な「資産所得倍増プラン」を策定することを表明した。

「働く人への分配を強化する賃上げを推進する」と明記。賃上げ促進税制の活用を進めることや、賃上げを行った企業からの優先的な政府調達等に取り組み、「地域の中小企業も含めた賃上げを推進する」。また、できるだけ早期に最低賃金の全国加重平均が1,000円以上となることを目指す。他方、男女の賃金格差の是正に向けて企業の開示ルールの見直しにも取り組む。

「多様な働き方の推進」も強調。ジョブ型の雇用形態をはじめ多様な働き方を選択できる環境整備に取り組むとし、その観点から「専門知識・技能を持った新卒学生や既卒数年程度の若者について、より一層活躍できるようにする観点から、その就職・採用方法を産・学とともに検討し、年度内を目途に一定の方向性を得る」としている。事業者とフリーランスが取引する際の契約の明確化を図る法整備や相談体制の充実などにも取り組む。また、10月から導入される労働者協同組合について「NPO等からの円滑な移行等を図る」とした。

人的資本投資の抜本的強化と、社会全体で学び直し(リカレント教育)を促進するための環境整備にも取り組む考えを示した。

社会保障については、全世代型社会保障構築会議の中間整理を反映。「勤労者皆保険」の実現を目指し、被用者保険の適用拡大の着実な実施などに取り組む。また医療情報の利活用について法制上の措置等を講ずるため、政府に総理を本部長として関係閣僚で構成する「医療DX推進本部(仮称)」を設置することを打ち出した。

実行計画の推進では5年間を目途とする工程表を作成し、毎年度、フォローアップ

今回初めて閣議決定された「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」は、新しい資本主義実現会議および与党における検討を踏まえて取りまとめられたもの。骨太の方針に盛り込まれた方向性について、より具体的に記述している。政府は、実行計画の具体化に向けて5年間を目途とする工程表を作成し、毎年度、実行状況についてフォローアップし、PDCAサイクルで着実に推進する考えだ。

「資産所得倍増プラン」の策定に関しては、「家計が豊かになるために家計の預金が投資にも向かい、持続的な企業価値向上の恩恵が家計に及ぶ好循環を作る必要がある」と指摘。そのうえで、「個人金融資産を全世代的に貯蓄から投資にシフトさせるべく、NISAの抜本的拡充を図る」としている。また、事業主に対する高齢者の就業機会確保義務が70歳まで伸びていることに留意して、iDeCo制度の改革などを行うことを提示。これらも含めて、新しい資本主義実現会議に検討の場を設け、今年末に総合的な「資産所得倍増プラン」を策定する考えを示した。

他方、4月に導入した「公的年金シミュレーター」について、「民間アプリとの連携を図り、私的年金や民間の保険等を合わせた全体の見える化を進める」としている。

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